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完結●異世界召喚されたら供物だった件~俺、生き残れる?~  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
【Episode1】死亡フラグ遂行寸前編

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80:裏切り?

「今日ここにいた皆さんは騎士ですよね。それも騎士の中でも上位者の方々。あるじ専属の三騎士の皆さま。誇り高い精神をお持ちであることは、重々承知しています。それでも今日ここで会えたことに、運命的なものを感じざるをえません。どうか一度でいいので、抱きしめてキスをしていただけませんか。この一度限りでいいので、どうか、お願いします」


すがるようにその踊り子は、黒い瞳を向ける。


「え⁉ でもそれは亡くなった恋人への裏切りになりませんか⁉」


「裏切り……そうでしょうか。彼にそっくりなあなたに抱きしめられ、キスを望むことが裏切りですか?」


「……」


亡くなった恋人とは、もう二度と抱き合うことも、キスもできない。


でも恋人と瓜二つの人がいて、その相手に抱きしめられたい、キスして欲しいと願うことは……。



踊り子が抱きついていた。


柔らかいバストが押し当てられ、驚いて離れようとする。が、踊り子は両手を背中に回し、離れようとしない。


「お願いします!」


据え膳食わぬは男の恥……とは言うけれど。


「いや、ごめんなさい、無理です!」


「どうしてですか? 私は魅力的ではありませんか?」


妖艶な踊りができて、魅惑的な体もしている。

性格だって悪くなさそうだ。でも……。


「魅力的ですけど、俺には好きな人がいるんです」


「‼ で、でもたかがキスです。ほんの一瞬ですから」


「そ、そーゆう問題じゃないです。彼女のことを裏切りたくないんです」


そう。俺にはベリルがいる。ベリルは俺の絶対だ。


「バレません。ここにはキッチンカーのスタッフしかいません」


その言葉に思わず周囲を見渡すと、確かにもう騎士の姿はなかった。


少し離れた場所で、後片付けをするキッチンカーの店員ぐらいしか、見当たらない。


だが……。


「バレるとかバレないの問題ではなく、俺が嫌なんです! そもそも彼女ともキスしていないのに。俺のファーストキスを、あなたに奪われるわけにはいかないんです!」


「はあああ?」


踊り子があきれた瞬間。


腕にチクッとした痛みを感じた。


……え。


驚いて横を見ると、エメラルドグリーンの衣装を着た、もう一人の踊り子がいた。


手には注射器を持っている。


「もう、君、ホント、面倒だな~」


聞いたことがある声だった。

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