77:妖艶なダンス
噴水のある芝生の庭園が見えてきて、おいしそうな香りが漂ってきた。
既に多くの騎士が集まっており、いくつかのキッチンカーの前には行列ができている。
その中でひときわ賑わっている店があり、まずはそこに向かってみることにした。
ケバブサンドのお店か。
「あ、スピネル!」
賑わいの中に、スピネルの姿を見つけた。
今日のスピネルは、オリーブ色のサマードレスを着ている。沢山の小さなヒマワリがプリントされたそのドレスは、ちょっとレトロでアメリカンな感じだ。
「このお店、なんでこんなに混雑しているんですか?」
俺が尋ねると、スピネルはキッチンカーの横のスペースを指さす。
「とっても妖艶なダンスを踊る二人組の女性がいるのよ」
確かにエキゾチックな音楽が流れている。
ゆっくりスピネルが指さす方を見ると……。
妖艶な踊りから目が離せなくなった。
手の動き、足の動き、何よりも腰の動きが……。
これ、多分、俺のいる世界で言うベリーダンスだ。
踊りが艶めかしいのはもちろん、衣装もとんでもなくセクシーだった。
ビキニの水着に、薄手の生地のロングスカートをはいているのだが……。
スカートは深いスリットが何か所にもはいっており、動く度に素肌がのぞく。圧倒的に肌の露出が多い。
さらに二人とも滅茶苦茶スタイルがいい。
踊りに合わせて装飾品と共に揺れるバストはもちろん、くびれた腰が……。スリットからのぞく生脚に、何度もドキドキしてしまう。
ゴールドの装飾品が沢山ついた、濃紺の衣装をまとう黒髪長髪の女性は、しっとりした色香を放っている。
もう一人の背の低い少女は、エメラルドグリーンの生地に、銀細工の装飾が沢山施された衣装を着ていた。身長の割りにバストが大きかったが、明るく元気そうな表情から、健康的なエロさを感じる。
多くの騎士がその踊りに目を奪われ、俺もしばし見入っていたのだが……。
突然、足に激痛が走った。足を踏まれたのだと気付き、横を見る。
キャノスと俺の間に割ってはいるように、ベリルがいた。
オールドオーキッド色の生地に、鮮やかなバラがプリントされたサマードレス姿のベリルは……。俺の方を見ず、キャノスに声をかける。
「随分と賑わっていると思ったら、妖艶な踊り子がいたのか。すっかり主役の座を奪われてしまったようだ」
「ベリル様! いらしていたのですね。……確かに素晴らしい踊りを披露していますが、ベリル様は社交ダンスはもちろん、それ以外のダンスも得意でしたよね」
「そうだな。主役の座を奪い返すことにするか」
ベリルはパンプスを脱ぎ、キャノスに預け、前へ進んだ。
そして次の音楽が始まるのと同時に、二人の踊り子と一緒に動き出した。







