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完結●異世界召喚されたら供物だった件~俺、生き残れる?~  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
【Episode1】死亡フラグ遂行寸前編

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65:イチャイチャを全力で阻止

館内が暗くなり、すぐに上映が始まった。


映画は、いきなり一人目が何かに襲われ命を落とすという、ショッキングなシーンからスタートする。俺はその衝撃的なシーンにあわせ、空席のシートの背をドンと叩く。


ベリルの小さな悲鳴が響いた。


シディアンが、ベリルを落ち着かせようとする声が聞こえる。


……まさか、ベリル、シディアンの腕を掴んでいたりしないよな。


昨晩、一緒にこの映画を見た時の様子が頭に浮かぶ。


ベリルはとても怖がりで、俺に身を寄せていた。

同じことをシディアンにしているとしたら……。


全力で阻止しよう。


そう決意し、次のシーンに合わせ、移動を開始した。



上映中、全力で阻止した。

シディアンがベリルとの距離を縮めようとするのを。


シディアンはアレンが言っていた通り、ここぞとばかりに、ベリルへアプローチしている。ポップコーンを食べさせてあげたり、手をつないだり、抱き寄せようとしたり、あまつさえキスまでしようとした。


俺はそれらを見逃さず、突然物音立てたり、空き缶を転がしたり、水鉄砲で水をかけ、そのすべてを阻止。


シディアンは頻繁に起こる怪奇現象に、次第に不信感を抱き始めていた。でも密室の暗い空間という、またとないチャンスを逃したくなかったようだ。怪奇現象を無視し、ベリルへのアプローチを続ける。


その結果、シディアンもベリルも、映画を観ているところではなくなった。


おかげでベリルは、シディアンの腕を掴んだり、身を寄せたりすることもない。


一方のシディアンは……。


ベリルに何もすることができずに終わった。

ガッツポーズで映写室へ戻る。


俺を迎えたアレンとカレンは……。


「個人的にはよくやった!と思いましたけど、あれ、ちょっとやり過ぎですよね、拓海様」


アレンが苦笑いで俺を見る。


「絶対にシディアンも、怪奇現象じゃなく、人為的に誰かが邪魔している、って感じたと思いますよ」


カレンの指摘に、ようやく自分がとんでもないことをしてしまったと気づく。


ハプニングを仕掛けるのが俺の役割。

二人がイチャイチャするのを邪魔することではない。


何やっているんだよ、俺……。


分かりやすく落ち込む俺を見て、アレンがフォローしてくれる。


「拓海様、大丈夫ですよ。この映画館ではポルターガイスト現象が頻繁に起こる、特に男女のカップルで映画を観ている時に頻発するって噂、流しておきましたから」


「アレン……ありがとう!」


「どういたしまして。……でも、そう何度もフォローはできませんからね。気を付けてくださいよ、拓海様」


それは……最もだった。


猛省しながら、自分の部屋に戻った。

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