表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/547

6:禁じられた行為

「その初夜で血の交換が認められていると言っても、そんな大量の血を吸うなんて許されないだろう?」


「もちろんです。でも過去に事故はいくつも起きているんですよ」


「事故……?」


「拓海様はベリルお嬢様に吸血された時、快感を覚えませんでしたか?」


「そ、それは……」


「照れなくていいのですよ、拓海様。その快感は魔力によって引き起こされるものなのですから、避けようがありません」


「ヴァンパイアの吸血で、強い快感を生み出すことは、ヴァンパイアなら誰でも知っていることです。でも当のヴァンパイアは、同じ種族間での吸血行為を禁じられているため、その快感がどんなものか分からないのです。分からないですが、気にはなりますよね……?」


「まあ、好奇心だよな。……特に思春期にもなるとより気になるだろう」


「ヴァンパイア同士で婚約を結ぶと、初夜を迎える前に血の交換をしてしまう者が出てきてしまうのです」


「!」


「もちろん、禁じられている行為をするので、『ちょっとだけだよ』で始めるのでしょうが、その快感に我を忘れ、お互いの血を吸い尽くし合うという事故が過去にも起きているんです、レッド家以外で」


「レッド家では起きていないのか?」


「はい。一度もございません。レッド家は過去に一度も血の交換に関する不祥事を起こしていないのは勿論、他のことでも一度も問題を起こしていません。だからこそ、レッド家は5つの有力ヴァンパイアの中で筆頭という地位を維持することができているのです」


「そうなのか……。ということは、もしベリルがブノワに血を吸い尽くされ、魔力を奪われていたら、とんでもない事態になっていたんだな」


「はい。禁止されているヴァンパイア同士の血の交換を行った、しかも婚約者同士で初夜を待たずに行った。さらに次期当主であるベリルお嬢様が魔力を失ったとなれば、そんな者がレッド家を引き継いでいいのか。さらにはこんな不祥事を起こしたレッド家を筆頭に、この国の最高権力者にしておいていいのか、ということになります。ブノワの行為はクーデターに近いことでした」


「でも、血を吸ったのはブノワだ。ベリルは……ブノワの血を吸っていないのだろう?」


「はい、その通りです。でもいくらでも取り繕うことはできます。これが吸血された痕だと傷口をでっちあげるかもしれません。はたまた快楽で我を失ったベリルお嬢様から色仕掛けで血を吸うよう強引にそそのかされ、仕方なく一方的に吸血行為を続けた……いくらでも言い訳は考えることができます」


「本当にひどいな……。ベリルはかなり量の血をブノワに吸われたのだろう? 魔力も相当失ったんだよな?」


「そこなんですよ、拓海様」


「?」


「拓海様の血を吸ったベリルお嬢様は失われた血を取り戻しただけでなく、魔力も元に戻ったのです」


「……!」


「だからこそ、拓海様を連れ帰ったのです」


命拾いした理由が解明された!


「そうなのか……。それで今、ベリルはどうしているんだ?」


「父上であるロードクロサイト様とお会いになっています。かれこれ二時間ほど話し合いをされているので、そろそろ終わるかと」


その時だった。


アレンが部屋に戻ってきたと思ったら、その後ろにベリル、ヴァイオレット、さらに二人の美しい女性、かなりのイケメンの騎士、貫禄のある男性、執事と思わしき初老の男性が部屋に入ってきた。



本日更新分を最後までお読みいただき、ありがとうございます!

次回更新タイトルは

『男でも感じちゃうのか……』

『白衣の巨乳美女』

『死ぬ寸前だったから?』です。

それでは今日もお仕事、勉強、頑張りましょう。

明日のご来訪もお待ちしています‼

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
●第2回ドリコムメディア大賞●
●一次選考通過作●
バナークリックORタップで目次ページ
断罪終了後に悪役令嬢・ヒロインだったと気づきました!詰んだ後から始まる逆転劇
『【完結】断罪終了後に悪役令嬢・ヒロインだったと気づきました!詰んだ後から始まる逆転劇』もおススメです☆

●これぞ究極のざまぁ!?●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢は死ぬことにした
『悪役令嬢は死ぬことにした』

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ