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完結●異世界召喚されたら供物だった件~俺、生き残れる?~  作者: 一番星キラリ@受賞作続刊7/1発売:商業ノベル&漫画化進行中
【Episode1】死亡フラグ遂行寸前編

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56:ベリルの腰に腕を回した

続いてのエクリュは、アメジスト色の薄手のシャツに黒い七分丈ズボンという姿だった。


目の前に焦げた肉を差し出されると……。


「実は、ぼく、もうお腹いっぱいで」と答え、肉を食べることを辞退した。


ハンベルグもエクリュと同じ理由で、焦げ肉を食べない。


ちなみにハンベルグは、日焼けした肌によくあうサルファーイエローの長袖シャツを、肘の上あたりまでたくしあげ、ジーンズをはいていた。


ついに順番が回ってきたカイは、顔をゆがめ、苦々しい顔をしながら、でも口では「美味しい、美味しい」と言って、7枚の焦げた肉を食べた。カイはビリジアン色の生地に、黒のラインチェック柄のはいった半袖シャツを着ている。焦げ肉を食べ終えると、シャツにあわせたかのように顔色が悪くなっていた。ご愁傷様です……と声をかけたくなる姿だ。


最後は……クレメンスだった。


「クレメンス、肉を焼いた。食べないか」


ベリルが差し出した焦げ肉がのった皿を見ると、クレメンスはビーチチェアから立ち上がる。クレメンスは半袖のデニムシャツに赤いジーンズ姿で、なんというかベリルとペアルックみたいだった。


クレメンスは焦げ肉がのった皿を受け取ると、ベリルの腰に腕を回し、「おいで」と優しくバーベキューコンロへいざなう。


クレメンスはまず網を新しいものに変え、網をあたためると、カルビをトングでつまむ。そしてゆっくり網にのせ、ベリルを見た。


「まずは片面を焼く。裏返すタイミングは……見てご覧、ベリル。ここ、白くなってきただろう。こうなったら裏返す」


すっとトングで持ち上げると、カルビを裏返した。


「こちらの面に焼き目がついたら完成だよ」


クレメンスはタレを入れた小皿に、今焼いたばかりのカルビをつける。


軽く自身の息を吹きかけ、肉を冷ますと……。


「ベリル、食べてご覧」


自然な流れでそう言われたベリルは、素直に口を開いた。


クレメンスはベリルの口にカルビを入れる。


「……美味しい」


本当に美味しかったのだろう。

ベリルの顔が笑顔になっていた。


「それは良かった。今のやり方を真似して焼いてご覧、ベリル」


クレメンスはベリルの頭を優しく撫でた。


「うん。王子様ね。完璧な対応。咄嗟にあの行動をできるなら、それは演技ではない。あれがクレメンスという人間だと思うわ」


スピネルの言葉に、ヴァイオレットもバーミリオンも頷いた。


「私だったら、食べる瞬間に魔法で焦げをとったと思います。……クレメンス、すごいですね」


キャノスもため息をついた。

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