表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
完結●異世界召喚されたら供物だった件~俺、生き残れる?~  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
Episode7二人の愛完結編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

525/547

20: ポニー

俺は自分ツッコミを入れながら、ベリルに披露宴のドレスについて説明する。


「披露宴のドレスはこれ。ベリルのワイン色の髪と同じ色で、薔薇の花を表現しているんだ。光沢のあるシルクサテン生地で、ここを中心に薔薇の花びらが広がっているように見えるデザイン。装飾はベルベッドのウエストリボンだけで、もうこのドレス全体の薔薇を招待客に見てもらうイメージなんだよ」


「これは……初めて見るデザインのドレスだ。斬新だが、実に美しい。本当に薔薇の花が咲いているようだ」


顔をさっきより近づけ、モニターに映るドレスを、ベリルが目を輝かせながら見ている。


「だよな! これも仮縫いが終わっているから、ウェディングドレスと一緒に合わせてみてよ、ベリル」


「勿論だ、拓海。私のために素敵なドレスをオーダーしてくれて、ありがとう!」


ベリルが俺にぎゅっと抱きつく。

そうなるともう、俺の気持ち的には、ドレスの確認どころではなくなり……。

それはベリルにも伝わり、その後は……。

イチャイチャして眠りにつくことになった。



怒涛の3週間が終わり、カーネリアンとバーミリオンが帰国した。二人ともこんがり日焼けしており、ハネムーンを満喫した感が半端ない。


沢山のお土産も受け取り、それはまるでハワイのレイのようなものだったり、南国のフルーツを使ったチョコレートだったり、素敵な香りの石鹸だったりと実に様々。


数日の間、レッド家には南国を思わせるいい香りが漂い、皆、季節が秋であることを忘れた。


でもその香りも収まると、レッド家は通常稼働に戻るかと思われたがそんなことはない。


今度はベリルと俺の婚儀の準備が本腰段階に入った。


無論、ベリルも俺も、通常の範囲でそれぞれ執務。訓練を送っている。そこに婚儀にまつわるあれやこれ……つまりは席順の決定、宿泊施設の手配、交通手段の確保などなどが始まった。


ただ、ここら辺はカーネリアンとバーミリオンの婚儀を参考にできるから、とてもスムーズだった。パレードで使う車や警備体制、コースなども流用できるから有難い。


後は自分達の衣装の確認、これはさすがに流用できない、披露宴の最中の歌手やショーをお願いする人物などの選定を進めた。これを進めている時、丁度、ブラッド国でお馴染みの5つの有力ヴァンパイアが共同開催で行う「オータムフェスティバル」の準備をベリルは行っていた。


オータムフェスティバルは、秋の行楽イベントの一つで、街の住人を無料で招待する。川のそばで飲食が提供され、森の中では宝探しのゲームが行われ、草原では乗馬体験や剣術や魔術披露などが行われるのだ。


「披露宴のショー……そうだな。ポニーは今年、五頭手配しようか。確かレッド家配下の牧場で二頭、丁度がいいのがいたはずだ」


「!? ベリル、披露宴の会場に動物をいれるのか? ポニーは確かに可愛いから、子供達は喜びそうだけど」


「! すまない。拓海。それはオータムフェスティバルの話だった」


そんな笑い話のような会話をすることもしばしあった。


でもこのポニーで子供を喜ばす……は思いがけず婚儀の中で採用されることになる。というのも俺達がパレードを行っている最中やダンスの合間、大人はまだしもまだ幼い子供は暇になってしまう。そこまで幼い子供は多いわけではないが、ゼロではない。よって今回、ポニーやウサギなど動物の触れ合いコーナーを設置することになった。これは大人であっても癒しになるし、目新しいし、楽しめるはずだ。


そんな感じで婚儀の準備は進み、そしてオータムフェスティバル当日になった。


早朝から動き出し、あの蛍の森へと向かう。


蛍の森と言えば、「ザイド」による襲撃を受け、リマとレイラ、ゼテクやジャマールと出会うことになった森だ。あの時は敵対関係だったが、今は仲間。なんとも不思議な気持ちになる。


「拓海、何、ぼさっとしているの。とっと宝を隠しなさいよ!」


隊服姿のリマの声に我に返る。

今、リマ、シナン、俺の三人は宝探しの会場となる森の中に、宝となるアイテムを隠している最中だった。


宝……それはお菓子だったり、雑貨だったり、ぬいぐるみだったり、様々だ。


お菓子はできればこのフェスティバルの最中に、すべて見つけて欲しい。だから分かりやすい場所に隠す。


雑貨は今回見つからなくても、いつか見つかりサプライズになってもいい、ということで少し分かりにくい場所へ隠す。


ぬいぐるみはもう、それこそ子供が喜ぶように、ウサギのぬいぐるみなら草むらに。ふくろうのぬいぐるみなら、木にあいたうろの中に。りすなら木の枝と、子供も見つけやすい場所に隠す……置くことにした。


一応ルールで、持ち帰る宝は一人三点までとなっているので、一度に大量に宝が持ち去られるわけではない。それでも今日は何度か補充することになるだろう。


「ひとまずこんな感じでいいかな。入口に戻るか、拓海様」


シナンにそう言われ、振り返った俺は、そこにとんでもないものを発見し、息を飲むことになった。

お読みいただき、ありがとうございます!

次回更新タイトルは

『どうして、そんなに小さい?』

何かを発見!


それでは今日もお仕事、勉強、頑張りましょう。

明日のご来訪もお待ちしています!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
●第2回ドリコムメディア大賞●
●一次選考通過作●
バナークリックORタップで目次ページ
断罪終了後に悪役令嬢・ヒロインだったと気づきました!詰んだ後から始まる逆転劇
『【完結】断罪終了後に悪役令嬢・ヒロインだったと気づきました!詰んだ後から始まる逆転劇』もおススメです☆

●これぞ究極のざまぁ!?●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢は死ぬことにした
『悪役令嬢は死ぬことにした』

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ