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完結●異世界召喚されたら供物だった件~俺、生き残れる?~  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
Episode7二人の愛完結編

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19: カーネリアンはこっそり俺に

カーネリアンとバーミリオンの婚儀は終わった。

これでベリルは忙しさから解放される……と思ったが、そんなことはない。


というのもカーネリアンとバーミリオンは新婚旅行に旅立ったのだ!


しかも3週間。約一カ月も!……と言いたいところだが。

ベリルと俺もホリデーシーズンを使いながらも、婚儀を挙げ、3週間はオフをもらうことになる。ここはお互い様なのだ。それにカーネリアンとバーミリオンについては次世代の跡継ぎが求められているわけで……。まさにロードクロサイトからしたら、ハネムーンベイビーウエルカムであり、二人のことを大手を振って送り出した。

ちなみに二人は3週間をどこで過ごすのかと思ったら……。


クルーズを楽しむのだという。


つまり、大陸のど真ん中にある湖を、チャーターしたクルーズ船で移動し、気が向いたら島に上陸する。でも基本は船でのんびり移動しながら、美食を楽しみ、ダンスをし、美酒に酔う。たまに泳いだり、観光したり、そしてしっかり子作りに励む……ということだ。


ちなみに出発前、カーネリアンは俺にこっそり教えてくれた。


「拓海。大丈夫だ。きちんとツボをおさえれば、主導権は握れる。それに血の交換は素晴らしいぞ……。何より拓海はヴァンパイアに生まれ変われば、世界が変わるはずだ。みなぎる力に自信も持てるだろう。大丈夫だ。……だが、しかし。紳士たる者、もう無理という女性を――」


こっそり、から、しっかり、紳士論を聞かされそうになった。


「カーネリアン様。バーミリオン様がお探しでしたよ」


シナン、ナイス!


「何! 妻を待たせるは夫の恥! バーミリオン、我が愛しき妻よ。君の夫はここにいるぞ!」


すっかり愛妻家になった義兄は、妻を求め、俺のことは既に眼中にない。

こうしてカーネリアンとバーミリオンは、湖に向かい、出発した。



ベリルは窓際のテーブル席に座り、ノートパソコンで仕事をしている。


俺はベッドで体育座りをして、同じくノートパソコンで招待客リストを確認していた。結局、出席者は、カーネリアンとバーミリオンの婚儀の時と変わらなかった。


ウルフ王国は、さすがに今回、国王陛下夫妻は来ないと思ったのに、今回も出席すると返事をくれている。それは間違いなく、ベリルが過去二回、ウルフ王国で手柄を立てた成果だと思う。間違いなくベリルは国王陛下に気に入られている。


ポリアース国からは大臣に加え、グレゴウス教皇も参加してくれることになっていた。ハネス大司祭が捕えられ、国内では反ウルフ・反ヴァンパイア運動はかなり減っているという。


つまり過去数年間の反対運動は、ハネス大司祭が裏で煽っていた可能性がそれだけ高いとも言える。おかげで今回、グレゴウス教皇がブラッド国に足を運ぶことについても、大きな問題にはなっていなかった。


何より、俺達が帰国した後、ブラッド国は多額の医療寄金をポリアース国に行っている。それは国立病院の設立など目に見える形となっていた。ブラッド国から有能な医師も派遣され、難病への治療の取り組みも始まっている。これは寿命と病と常に戦うポリアース国の人達から、好意的に受け止められることになった。


それにベリルが結婚する相手は人間。その点もポリアース国の人達の、反ヴァンパイア感情を静めることにつながっていると思う。さらに、国民の信頼も厚い癒しの聖女が、自らお祝いに行きたいと宣言したことも、大きいと俺は思っている。


「拓海、婚儀の件、まかせっきりで申し訳ないな」


「大丈夫だよ、ベリル。俺の方が暇なんだ。それに俺、男尊女卑の発想はないから」


「とはいえ、婚儀の準備は夫婦の共同作業の一つ。共にやった方がいいはずだ……。よし。執務はここまで。拓海、今は何を見ている? 私も何か手伝うぞ」


ベリルは真面目だなぁ。

カーネリアンの代わりでそれどころではないのに。

でもここは手伝ってもらった方が、ベリルは気持ち的に楽になれるだろう。


自身のノートパソコンを閉じたベリルがベッドに乗っかり、俺の隣にぺたんこ座りをした。

パステルピンクのネグリジェ姿でぺたんこ座りって、たまらなく可愛いなぁ。

そんなことを思いながら、パソコンを操作する。


「確認してもらえるなら……ウェディングドレスを見て欲しい。これはもう仮縫いが終わっているから、来週には試着できる。試着は……ベリルがしてくれ」

「当然だ、拓海。私が着る」


ベリルが笑いながら、ノートパソコンの画面を覗き込む。


「これは……素晴らしいな。このロングトレーンの刺繍もすごい」


「だろう! この刺繍は不死鳥フェニックスの羽をイメージしたんだ。で、刺繍が繊細だから、ベールはシンプルにして、長さはお尻の辺りのミドル丈。で、髪はアップシニヨンがいいと思うんだ」


「完璧だな、拓海。……ドレスのコーディネーターになれるぞ」


確かに、自分でもできる自信がある……って、そうではなく!

お読みいただき、ありがとうございます!

次回更新タイトルは

『ポニー』

ポニー……仔馬さんですが!?


それでは今日もお仕事、勉強、頑張りましょう。

明日のご来訪もお待ちしています!!

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