表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
完結●異世界召喚されたら供物だった件~俺、生き残れる?~  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
Episode6ウルフ王国結婚狂騒曲編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

497/547

50:私刑は許されないとは思うが

11時からの結婚式は、第六王子の次女が新婦で、新郎はなんとポリアース国の人間だ。


なんでも新婦が旅行でポリアース国に行った時に、二人は出会い、そこで恋に落ちたという。ポリアース国では、ヴァンパイア同様、ライカンスロープを嫌う人間も多い。だから恋愛で誕生したカップルは、珍しい部類にはいる。


というのもライカンスロープと人間の結婚は、毎年のように行われているが、それは打算的なものがほとんど。つまり、ゴールドを算出するウルフ王国は、ポリアース国より国力がある。ゆえに金目当てでライカンスロープとの結婚を選ぶ人間が、圧倒的に多いという。


よって王族のライカンスロープと人間が、恋愛を経て結ばれることは珍しい――ということだ。


そんな二人の結婚式は……。

これまでの結婚式と少し違う。


もちろん基本はダンス・ダンス・ダンスなのだが。


ダンスの合間に突然、歌手が登場したり、寸劇があったり、それはまるで……。


俺がいた世界の、披露宴や結婚式の二次会みたいだ。


これまでとは一味違う結婚式を楽しんでいた俺は、手品が終わったタイミングで、トイレに行くことにした。


合図を送ったわけではないが、廊下に出ると、シナンも会場から出てきた。護衛についてくれたシナンに声をかける。


「なあ、シナン。ポリアース国の結婚式って、こんな感じなのか? こんな感じって言うのは、そのさっきみたいに手品があったり、寸劇があったりするのか?」


「拓海様、俺は結婚式を挙げたことがない。それに『ザイド』での結婚なんて、祝いの宴程度のことしかしない。だからまあ、あくまで任務での経験になるが……。新婦の暗殺を依頼されたことがある」


とんでもない質問をしてしまったと、絶句する。

だがシナンは、しれっと話し続けた。


「ポリアース国には、知っての通り、宗教が存在している。だから神の前で、愛の誓いを行う。まず教会で挙式というものをして、その後、披露宴というものを行う。披露宴はまあ、飲み食いして新郎新婦を祝う宴だ。さすがに挙式での暗殺は、難しいからな。暗殺は披露宴でするのだが。その披露宴では確かに今のように、歌ったり、劇をしたり、ショーをしたりというのは、確かにあった」


「そ、そうか」


なんとなく、そういうのを普及させたのは、ノエルなのではとチラリと思う一方で。

新婦を披露宴で暗殺って……。

依頼した奴は、どういう神経をしているのだ!?


「ちなみにな、拓海様。その時のターゲットになった新婦は、マフィアの娘。依頼したのは、マフィアに子供を殺された親たちだ。そのマフィアは、百名近い子供達が乗る船を沈めた」


「な……」


私刑は許されないとは思うが。

子供を失った親御さんの気持ちを思うと…ん…。


なんというか『ザイド』が請け負う暗殺って、いろいろな意味で重い。


その時だった。


こちらに向かい、巨大なケーキを運ぶ給仕の姿が見えた。

お読みいただき、ありがとうございます!

次回更新タイトルは

『思わずゾクッとする目つき』

です。

誰のこと!?


それでは今日もお仕事、勉強、頑張りましょう。

明日のご来訪もお待ちしています!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
●第2回ドリコムメディア大賞●
●一次選考通過作●
バナークリックORタップで目次ページ
断罪終了後に悪役令嬢・ヒロインだったと気づきました!詰んだ後から始まる逆転劇
『【完結】断罪終了後に悪役令嬢・ヒロインだったと気づきました!詰んだ後から始まる逆転劇』もおススメです☆

●これぞ究極のざまぁ!?●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢は死ぬことにした
『悪役令嬢は死ぬことにした』

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ