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完結●異世界召喚されたら供物だった件~俺、生き残れる?~  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
Episode6ウルフ王国結婚狂騒曲編

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46:早くベリルのところへ行きたい!

バスルームにつくと、猛烈な勢いで髪を洗い、湯船に飛び込む。


早くベリルのところへ行きたい!


だがベリルとイチャイチャするなら、体は綺麗にしておかないと。なぜならベリルは、背中や脇腹と、いろいろなところにキスをするからだ。


その様子を思い出すと、頬が自然と緩む。


気持ちは急くが、ちゃんと体を洗い、寝間着に着替え、髪を乾かすと。待ちきれない思いで、「ベリル!」と叫びながら、バスルームを出た。


え……。


甘~い気持ちが吹き飛んだ。


リビングルームには、ベリルと向き合い、ソファに座るミランダとカイがいる。さらに国王陛下付きの、近衛兵までいた。少し離れたテーブル席には、ミランダとカイの三騎士、そしてキャノスとシナンも控えている。俺はぎこちなく笑いながら、ベリルのそばに行く。


「拓海、いいところに戻ってきた。丁度、こちらのデビー近衛兵長が教えてくれたのだが、シドニーが逮捕されたそうだ」


「そうなのか!」


ベリルの隣に腰を下ろすと、キリッとした、なかなかのイケメンライカンスロープが、俺を見て会釈する。


「デビーと申します。拓海様。シドニーはテルギア魔法国との国境付近で身柄を確保され、現在、この王都マホロへ移送中です。逃亡を企てていたことも判明しているので、極刑が下されます。移送はベアウルフの部隊が行っているので、間違いなく、この王都へ連行されます。この度は本当に、ここにいる皆さまにご迷惑をおかけすることになり、申し訳ありませんでした」


深々と頭を下げるデビー近衛兵長に、顔を上げるようにと、ベリルは促す。


「首謀者が捕まり、安堵しました。これで明日の結婚式もひとまず安心ですね」


ベリルの言葉に、デビー近衛兵長は力強く頷く。


「ベアウルフが投入されたという話も広まり、シドニーの組織の構成員のほとんどが、投降してきました。組織は壊滅も同然。ご安心ください」


こうして報告を終えたデビー近衛兵長を先頭に、皆、部屋を出て行った。

急に部屋の中ががらんとして、静かになる。


「休もうか、拓海」


ベリルの言葉に頷き、俺は寝室へと向かう。

一方のベリルは、洗面所に向かった。

そのままベッドに座り、ベリルが来るのを待つ。


ベリルは『魔王の笛』騒動の謝罪行脚のため、ワンピースに着替えていた。だから今は寝るために、寝間着に着替えている最中だ。


今晩のベリルは、どんな姿で寝るつもりなのだろう。


少し、いや、かなりワクワクしながら待っていると……。


バニラホワイト色のネグリジェに着替えたベリルが、寝室に入ってくる。


う~ん。この清楚な白いネグリジェも堪らないな。


ワイン色の髪は苺、ネグリジェは生クリームと、またもベリルが美味しそうに見える。


とはいえ、いきなり甘えるのも気恥しかったので、さっき聞きそびれたことを、ベリルに尋ねる。


「それでベリルはシドニーのひいじいさんと、何か因縁があったのか?」


俺の隣に来たベリルは、そのままベッドに横になる。


「うん。大ありだった。ひいじさんの名前を聞いて、ようやくピンと聞いた。拓海が入浴中に、カイやミランダお姉さまには話したが……それは私が子供の頃にさかのぼる」


「!? そんなに古い知り合いなのか!?」


「知り合い、か。私は知り合いなんて思っていないが」


苦笑いするベリルの隣に、俺も横になる。

ベリルは横になった俺の方に、自身の体を向けた。


「ベリル、こっちに来て」


腕を伸ばし、ベリルに腕枕をした。

甘い香りに、幸せな気分になる。


「ウルフ王国には、何度も来たことがあり、小さなトラブルは相応にあったが……。一度だけ、肝を冷やす思いをしたことがある」


「え!? 何があったんだ……?」


「ゴールド博物館に行った時のことを、覚えているか?」


ゴールド博物館。


ウルフ王国の大きな財源になっている、ゴールドについて学べる博物館で、宮殿からは、車で二十分ぐらいの場所にある。博物館の周辺には、宿やお土産屋などもあり、観光地になっている。


「もちろん覚えているよ。お土産屋には、沢山の金細工が売っていたし、金粉を使った食べ物屋もあって、まさに観光地って感じだった」


「そうだな。まさに観光地だ。あの町には、観光客と地元民が使う、少し大きめの銀行があってな。今はもうないが、その銀行のディスプレイには、金塊が飾られていた。それはとても大きなもので、あのあたりのシンボルだった。その金塊を盗み出そうとした、強盗の一味がいた」


「え、待って、ベリル、それって……」

お読みいただき、ありがとうございます!

次回更新タイトルは

『拓海は私のものだ』

です。

ベリル様!


それでは今日もお仕事、勉強、頑張りましょう。

明日のご来訪もお待ちしています!!

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