表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
完結●異世界召喚されたら供物だった件~俺、生き残れる?~  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
Episode6ウルフ王国結婚狂騒曲編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

489/547

42:さすが百戦錬磨だな

その後は皆で宮殿に戻り、急遽呼ばれて国王陛下夫妻とも話し、そしてベリルは今回の一件を、ロードクロサイトに報告した。


ちなみにアジトには、カーネリアンやバーミリオンも向かおうとしたが、それはベリルが止めた。さすがに結婚式の最中だったし、カイも駆け付けるなら、十分だと固辞した。その結果、宮殿に戻った時。


無事を喜んだカーネリアンから、思いっきり抱きしめられた。


未来の義兄は、ベリルとイチャイチャしていると、途端に義父のようになる。だがそうではない時は……とても頼もしい。


そんなことをしているうちに夕食の時間となり、ただ今日は騒動もあったので、食事は食堂で各自自由にということになった。つまり夕食会はお休み。


食堂に行くと、そこにはクレメンスとアンナがいて、今回の騒動について話すことになった。


クレメンスはしみじみとこんなことを言う。


「本当に拓海はよくさらわれるな。もし僕がベリルの立場だったら、もう心配で、心配でたまらないな」


その言葉に俺は、今更ベリルの心労に気づくことになる。


確かに俺がさらわれる度に、ベリルは『誕生の証』を追って、俺を助けに来てくれた。それに俺も『誕生の証』があるからと、ベリルが助けに来てくれることを、当たり前のように思っている。


ベリルがどんな気持ちで『誕生の証』の魔力を検知しているか、考えたことがなかった。


でもその心中を思うと……。


……怪我をしていないか。痛い目にあっていないか。ちゃんと生きているか。


ものすごく心配しているはずだ。


ベリル……。


隣に座り、アンナと話しているベリルを見て心に誓う。

ベリルを当てにしてはいけない。

これからはさらわれないよう、もっと注意深くなろう。

そして。

助けてくれたベリルに、もっと感謝の気持ちを伝えよう。

そう心に誓い、夕食を終え、部屋に戻ろうとすると。


「拓海。ベリル様から、体についた傷を癒すように言われています。私とシナンの部屋に、来てもらえますか?」


そうキャノスに言われた。

……傷?

そう思ったら、シナンが自身の首や鎖骨を指差す。


!!

ライカンスロープ達がつけた、キスマークか!!


「拓海、私は先に部屋に戻り、入浴をしておくから」


ベリルはそう言うと、ヴァイオレットと共に、部屋へ向け歩き出す。


「分かったよ、ベリル」


シナンとキャノスと並んで俺は、歩き出す。


「なあ、キャノス」

「なんですか、拓海」

「ずっと気になっているのだけど」

「はい」

「ライカンスロープは、ヴァンパイアにはムラッとしないのか?」


素朴な疑問で聞いたつもりだが、キャノスはぷっと吹き出して笑った。


「え、俺、変な質問した!?」

「いえ、拓海がその質問をするのは、セーフですよ」

「!?」


キャノスは笑うのを止め、説明してくれた。


「元々ライカンスロープもヴァンパイアも、魔王の眷属であることは、拓海も知っていますよね?」


それはもちろん知っているので、こくりと頷く。


「魔王配下の時代のライカンスロープは、もっと野生よりだったのです。つまり狼に近い姿をしていました。その時代の名残があるからでしょうか。ライカンスロープ側もヴァンパイア側も、お互いに恋愛感情を持てないというか……」


するとシナンが、分かりやすく捕捉してくれた。


「つまりはアレだ、拓海様。飼い主と飼い犬みたいな感じだ。ヴァンパイアにとってライカンスロープは、飼い犬みたいな存在だった。魔王の時代に。人間と飼い犬は、いくら好きでも結婚しないだろう? その感覚を、ライカンスロープ、ヴァンパイアの双方が、今も本能的に持っている。だからどれだけムラッと期であろうと、ヴァンパイアを見てライカンスロープが反応することはないというわけだ。ミランダ様の時は、魔法薬を使い、悪さをしようとしていたと白状している」


「なるほど」


そう返事をしてから、シナンに尋ねてしまう。


「シナンはライカンスロープと……」


「もちろん。俺が抱いたことがない女は、ベアウルフのメスとデスヘルドルのゴーストぐらいだ。しかしゴーストは……抱けるのだろうか?」


シナン……。

さすが百戦錬磨だな。


そんなことを話していると、キャノスとシナンの部屋についた。

お読みいただき、ありがとうございます!

次回更新タイトルは

『でも聞くなら今だよな!?』

です。

何を聞くのか!?


それでは今日もお仕事、勉強、頑張りましょう。

明日のご来訪もお待ちしています!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
●第2回ドリコムメディア大賞●
●一次選考通過作●
バナークリックORタップで目次ページ
断罪終了後に悪役令嬢・ヒロインだったと気づきました!詰んだ後から始まる逆転劇
『【完結】断罪終了後に悪役令嬢・ヒロインだったと気づきました!詰んだ後から始まる逆転劇』もおススメです☆

●これぞ究極のざまぁ!?●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢は死ぬことにした
『悪役令嬢は死ぬことにした』

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ