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完結●異世界召喚されたら供物だった件~俺、生き残れる?~  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
Episode6ウルフ王国結婚狂騒曲編

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40:計画的な犯行

犯人の指示に従い、動き出した後の状況をミランダが静かに語る。


「指定された屋台に行くと、店員から突然、ガーリッククラブをのせた皿を渡されました。驚きましたが、よく見ると、そのお皿にメッセージカードが添えられています。するとそのカードには、シャンパンを提供しているアルコールコーナーへ向かえと書かれていました。指示に従い、アルコールコーナーへ行き、シャンパンを取ろうとしたら……」


ガーリックの香りが漂っているので、なんだか聞いていると臨場感があった。


「ウエイターに声をかけられました。シャンパンの入ったグラスとメッセージカードを渡され……。カードには、次に行く場所が指定されています。もう後はこの繰り返し。移動先でカードを渡され、会場の外へ外へと誘導されていく。そして気づくと、周囲を見知らぬライカンスロープに囲まれていました」


ミランダはその時を思い出したようで、本当に困ってしまったわという顔になっている。


「調理服を着ていたり、ウエイターの服を着ていたりで、いろいろ私に渡したライカンスロープが、すべて犯人の協力者なのだと理解しましたが……。ここまで念入りだと、計画的な犯行と分かりましたし、プロの犯行だと思いました。でも犯人に心当たりなんて全然なく……」


それはそうだろう。何せアイツらはミランダとベリルを間違えたのだから……。


「ともかくパリスの無事を確認し、安全を確保できたら、魔術を使い、ライカンスロープを倒すつもりでいました。でもまさか魔法薬を使われるとは思っていなくて……。ですからシナン様が助けに来てくださった時は、本当に感動しました」


ミランダに熱い視線を送られ、シナンは困り顔になる。


「ミランダ様、確かに俺はあの場に駆け付けましたが、結局御身がさらわれる事態になったわけで……」


するとミランダは首を振る。


「パリスだけでも、助け出すことができました。それに六人ものライカンスロープを瞬時に制圧したのです。驚きました。しかも武器で倒したのは一人だけ。残りは素手で倒していたのですから。さすがだと思いました。それにまさか駐車場の係員まで、敵だとは思う訳もなく。あの状況で拓海様を人質にとるなんて、誰も予想できなかったと思います」


そこでミランダはニッコリ笑う。


「シナン様には別途、ジョンブリアン家から御礼をさせていただきます」


シナンは「そんなことをしていただかなくても」と頭をかく。


「ミランダ様はその魔法薬で眠らされ、あのソファで目覚めるまでの記憶は、一切ないのですか?」


カイに尋ねられたミランダは、静かに頷く。


「気づいたら黒いドレス姿で目覚め、ベリルちゃんやパリス、ヒラリー、キャシー、拓海くんやカイくん……沢山のヴァンパイアと、拘束されたライカンスロープが、ずらりと並んでいるのが見えて。何が何だか、分からなかったわ。まさかロープで吊るされ、襲われそうになっていたなんて……。気づいたら助かっていたから、ラッキーだったわね」


肩をすくめてミランダが笑い、そして俺を見る。


「何事もなく済んだのは、拓海くんのおかげよ。本当に、ありがとうございます」


「そんな。俺がヘマしなければ、さらわれずに済んだわけで……。まあ、それに俺というより、モールのおかげなんで」


そこから話題はモールに移る。

モールが何をしたのか、俺が語って聞かせることになった。

一通り俺が話し終えると……。


「ミランダお姉さま。私が髪の色を変えていたばかりに、さらわれることになり、申し訳なかったです」


ベリルがミランダに深々と頭を下げる。


「やだあ、ベリルちゃん! 気にしないで。ベリルちゃんに間違われたなんて、光栄よ。でも友好国で知られるウルフ王国で狙われるなんて、本当にビックリよね。結局そのギャングに狙われる理由、分かったの?」


「それが全く分からないのです。ただ、そのシドニーというギャングのボスは、偽名の可能性も高いということで、警察が鋭意捜査中とのこと。まだ本人も逮捕されていないですし、いろいろ分かれば、連絡がくることになっています。新たな情報が出てくれば、いろいろと判明するとは思いますが……。ところで結婚式の方は、大丈夫だったのでしょうか?」


ベリルの問いに、カイが答える。

お読みいただき、ありがとうございます!

次回更新タイトルは

『切り札投入』

です。

いまだ動機は不明のまま……。


それでは今日もお仕事、勉強、頑張りましょう。

明日のご来訪もお待ちしています!!

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