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完結●異世界召喚されたら供物だった件~俺、生き残れる?~  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
Episode6ウルフ王国結婚狂騒曲編

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35:ものすごく怒っている……。

その瞬間。


モールの怒りが俺にも届いた。

ものすごく怒っている……。


モールの感情を感じ取るのは初めてのことで、驚いていると。

ものすごく小声で、モールが何か囁いた。


その声は俺の声であるのだが。

俺でさえ、聞き取れない。


突然、クラークが苦悶の表情を浮かべ、激しく尻尾と耳を動かし始めた。クラークの後ろにいるライカンスロープ達の顔が、青ざめている。


何事かと思うと、モールがとんでもないことを言い出した。


「クラーク、お前は風呂が嫌いなのか? そんなに尻尾にノミがいるとはな。入浴はとても気持ちがよいものなのに」


モール……。

地味な嫌がらせを……。


「やめろ、やめてくれ」


クラークは号泣している。


「なぜ、ベリルをさらったか、その理由を話せ、クラーク。ノミは嘘つきにたかるらしいぞ」


「シドニーが、ベリルという女ヴァンパイアに恨みがあると言っていた! シドニーのひいじいさんが、そのヴァンパイアのせいで刑務所に行きになったと!」


クラークが号泣しながら話し出す。

その間も尻尾と耳を激しく動かしている。


「復讐か?」


モールの問いにクラークは。


「恨みがあると言っていた。だから復讐だと思う……」


「バーバラ、記録停止」


モールの言葉にバーバラが頷き、撮影を停止する。


それを確認すると、ビデオカメラを受け取り、またも小声で何か囁いた。


その瞬間、クラークは力尽きたように尻尾と耳の動きを止めた。


「今後、もしベリルに手を出すようなことがあれば、全身にノミがたかるかもしれんな」


モールの言葉にクラークは絶句し、そしてノミにたかられる自身を想像したのだろうか。


気絶してしまった。


クラークの後ろにいるライカンスロープ全員が、無言で体を震わせている。そこでモールが動きを止め、何かの気配を伺う。


「拓海、お前の女が来たようだ」


ベリルか!?


「そのようだ。場をお前に譲る」


モールはそう言うと、手をパンパンと叩く。

その瞬間、その場にいたライカンスロープの呪縛は解けたようだ。


だが、誰も何もしようとしない。


どうやらクラークの姿を見て、完全に戦意を喪失したらしい。それが分かったので、俺はミランダに駆け寄った。


すると。


「動くな」


キャノスの声に振りかえった。


そこにはキャノス、ヴァイオレット、リマ、シナンそしてベリルの姿が見える。


少し離れた場所には、ミランダの二人の三騎士、さらにカイと彼の三騎士もいた。

お読みいただき、ありがとうございます!

次回更新タイトルは

『え、俺、なんか変?』

です。

多分、変なことに?


それでは今日もお仕事、勉強、頑張りましょう。

明日のご来訪もお待ちしています!!

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