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完結●異世界召喚されたら供物だった件~俺、生き残れる?~  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
Episode6ウルフ王国結婚狂騒曲編

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34:目的は?

「ジョージ、女、こいつを拘束しろ」


モールが指示をだす。


目の前を歩いていたタンクトップのライカンスロープ……ジョージが、スーツ姿のライカンスロープへ向かって行く。


女も持っていたドレスをその場に捨て、スーツ姿のライカンスロープへと向かう。


「ジョージ、バーバラ、やめろ!」


スーツ姿のライカンスロープが叫んでいる。


モールはそのまま部屋の中へと進み、ソファにミランダを横たえた。そして手首を結わくロープを解く。解いたロープをジョージへ投げる。スーツ姿のライカンスロープの手を、ジョージが結わく。


バーバラはテーブルの上に置かれていた粘着テープを手に取り、スーツ姿のライカンスロープの足首に巻き付ける。


拘束されたスーツ姿のライカンスロープは、床に転がされた。


「一旦、気絶させろ」


モールの言葉に、ジョージが反応し、嫌な音が響く。


「バーバラ、彼女にドレスを着せろ」


「ジョージ、部屋を出るぞ」


バーバラがミランダに駆け寄り、ジョージが廊下へ向かう。


「バーバラ、ドレスを着せたら、呼びにこい」


振り返ったバーバラが頷く。

モールは廊下へ出ると、リビングルームのドアを閉じた。


廊下に出たモールは壁に寄りかかり、直立不動のジョージに声をかける。


「この部屋の中にいたスーツ姿のライカンスロープ、名はなんと言う?」


「クラークです」


ジョージは直立不動のまま、まるで上官と会話する兵士のように、受け答えをしている。


「クラークか。ジョージ、そいつとお前の関係は?」


「ボスです」


「ボス……お前たちは、誘拐を生業としているのか?」


モールが首を回しながら尋ねる。


「オレ達はギャングと言われています。クラークはオレのボスですが、クラークの上にはシドニーというボスがいます。シドニーが組織のトップです」


「なるほど。なぜ我を……拓海を狙った?」


「目的は、ブラッド国の最高権力者の娘、レッド家のベリルという女ヴァンパイアです」


答えているジョージの額から、汗が噴き出していた。

本当は答えたくないことを、答えさせられ、内心ものすごく焦っていることが伝わってくる。


「ふん。拓海はおまけか。して、なぜベリルを狙った?」


「分かりません」


「理由を知らされていないと?」


「はい」


モールは腕を組み、冷ややかに尋ねる。


「ベリルをさらい、最終的にどうするつもりだったのだ?」


「オレが聞いていたのは、さらった女ヴァンパイアに屈辱を与えた後に殺害し、遺体を目立つ場所に放置するということだけです」


「ふざけたことを。拓海、あのヴァンパイアの着替えが終わったら、家ごと全員燃やすか?」


いや、そんな物騒なことはするな、モール。

とても許せることではないが、私刑にするわけにはいかない。


「生かしておく価値などないと思うが」


こいつらはシドニーの手先に過ぎない。

罰するべきはシドニーだ。


「ではそのシドニーとやらを潰しに行くか」


それは司法の手に委ねる。


「……拓海は甘いというか、優しすぎる」


モールはやり過ぎなんだよ。


そこでバーバラがリビングから出てきた。

そういえば。

バーバラもビデオカメラを持っていた。

そのことをモールに話すと……。


「バーバラ、お前のビデオカメラを今すぐ持ってこい」


バーバラが階段を駆け上がる。


リビングルームに入ると、シルクの黒いドレスを着せられたミランダが、ソファに横たわっていた。


モール、ミランダを起こせるか?


「起こせるが、まだだ」


そこにバーバラがカメラを手に戻って来る。


「拓海、このビデオカメラというのは何だ?」


説明すると長くなるが、簡潔に言うと、映像を記録できるものだ。


「……ほう。ならばコイツらの悪事を記録するか」


そう言ったモールは口笛を吹く。

これまでとは違う口笛の音に、この家の中にいるライカンスロープが全員集合した。


モールは全員を集合させると、バーバラに映像を記録するよう指示を出す。そしてジョージにクラークを起こさせる。


クラークの後ろには、この家にいたライカンスロープ全員が跪いていた。


その様子を見たクラークは……。

しばらくの間、様々な名前を呼び、指示を出す。

だが、誰も反応しない。


「クラーク、なぜベリルをさらったか吐け」


モールの言葉にクラークは、唾を吐いた。

お読みいただき、ありがとうございます!

次回更新タイトルは

『ものすごく怒っている……。』

です。

怒って当然なわけで……。


それでは今日もお仕事、勉強、頑張りましょう。

明日のご来訪もお待ちしています!!

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