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完結●異世界召喚されたら供物だった件~俺、生き残れる?~  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
Episode6ウルフ王国結婚狂騒曲編

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31:やたらけばけばしい

頭に鈍い痛みを感じ、目が覚めた。


目を開けると、周囲にはベッドカーテンが引かれている。でもそれは宮殿の寝室のものではない。こんなけばけばしい紅いベッドカーテンは、見たことがなかった。


だがしかし。


やけに寝心地がいいマットレスだ。


が。


ベッドカバーは光沢のある黒、枕は紅と、やはりけばけばしい。


まだぼーっとしている頭で、状況把握を始める。

なんというか、さらわれかけたり、さらわれたりも回数を重ねたので、動じなくなっていた。それに『誕生の証』があるから、ベリルに俺がいる場所は、すぐ分かるわけで。


ということで、状況確認を始めた。


口には粘着テープがつけられている。だがあの三騎士のように、体中にワイヤーを巻かれているわけではないから、ヴァンパイアだとは思われていないようだ。ということは魔法使いだと思われているのか?


両手は後ろ手で手錠をかけられているが、足は自由だ。


なるほど。


多分、ミランダをさらおうとしたライカンスロープの仲間に気絶させられ、さらわれたんだな。シナンは、ミランダを結婚式の会場から連れ出した六人のライカンスロープを倒した。バンからさらにライカンスロープが現れたが、シナンなら瞬殺できただろう。バンの中に、ライカンスロープが何人いようが、関係ない。


つまり、俺がこんな状態にならなければ、シナンはあの場を完全に制圧できたはずだ。


だが俺を人質にされ、シナンは動けなくなったと思う。

となると。

ミランダと俺がさらわれた可能性が高い。

そしてここは……ミランダと俺をさらったライカンスロープのアジト。

そう判断したが。

なんでこんなけばけばしいベッドに寝かされているんだ、俺?

それより、なんでミランダはさらわれたんだ?


ウルフ王国とブラッド国は友好国。

ライカンスロープは、ヴァンパイアと仲がいいはず。

とはいえ、ミランダは5つの有力ヴァンパイア、ジョンブリアン家の次期当主だ。

命を狙われる可能性は……ゼロではない。


そう思ったその時。


ドアが開く音がして、話し声が聞こえてくる。

これまで落ち着いていたが、さすがに複数人の話し声に、心臓がドキドキしてきた。


足音が聞こえ、ベッドカーテンがシャッと開け放たれる。


「間違いないな。あの女の婚約者の拓海という人間だ。魔術の効かない体質(ノー・ダメージ)らしいが、我々は魔術を使わないから、関係ない」


俺を見下ろすこのライカンスロープは……バンから降りてきたスーツ姿のライカンスロープだ。


「なるほどね。あの女。ガキのくせにクソ生意気と思ったけど、供物の人間を婚約者にするなんて、ますますクレイジーだわ」


やけに肉感的な服装をしているこの女のライカンスロープには、怒りを覚える。


ベリルのことをクレイジーだと?


「いいわ。この男は、あたしの娘達のオモチャにするわ。発情期の最中だから、丁度いい。その様子を撮影して、あの女に見せてやりましょう。供物なのに婚約者にするぐらいだから、相当この人間に、あの女はゾッコンなのでしょう」


とんでもないことを、女のライカンスロープが言い出し、俺の顔面は蒼白になる。


「そうだな。なんならライブ中継にするか? こっちはこっちで、あの女を楽しませてもらうから」


「あは! それ面白いかも。なんならこっちにも、そっちの映像を見せちゃう?」


二人のライカンスロープは、楽しそうに笑いだす。

俺はというと、怒りで血管がブチ切れそうになりながらも、あることに気づく。


ベリルもさらわれた?

そんなわけはない。

ベリルは会場でダンスをしていたはずだ。


そうなると……。

こいつらは……。

お読みいただき、ありがとうございます!

次回更新タイトルは

『俺の初めては、ベリルに捧げる!!』

です。

孤立無援。どうする!?


それでは今日もお仕事、勉強、頑張りましょう。

明日のご来訪もお待ちしています!!

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