25:私が存分に拓海を可愛がる
「……ベリル、その獣耳は」
「キャノスに頼んで魔法でつけてもらった」
ベリルのワイン色の髪から、白い毛でおおわれた獣耳が見えている。
「もしかして尻尾も……」
「ちゃんとある」
モフモフの白い尻尾が揺れている!!
「ベリル、俺のために……」
「拓海のためというより、ちょっとした興味だ。獣耳と尻尾があるというのは、どんな感覚なのか知りたいと」
「ベリル」
ベッドにダイブし、その体を抱きしめたつもりだったが……。
あっさりかわされ、組み敷かれている。
組み敷かれているが……。
この姿勢で見上げるベリルは、本当にライカンスロープみたいだ。
いい!
ホント、いい!!
「そんなにこの姿がいいのか、拓海?」
「それはもちろん。見慣れない姿だし、とても可愛い。いっぱい撫でて、可愛がりたい」
欲望に忠実になり、思ったことを口にすると。ベリルの頬が少し赤らむ。
ヤバイ。
この姿で照れるベリルは、もうただそれだけで破壊力が。
抱きしめたいし、キスをしたいし、あんなことやこんなこともしたくなる!!
「そんなに興奮して。確かに思春期の男子は、甘く見ない方がよさそうだ」
そう言ったベリルは俺の右手をとり、手首に軽く吸血する。
まさか!!
まさかと思い、左手を隠そうとするが、あっさり左手の手首も牙を立てられ。
手の動きを封じられてしまう。
それどころか寝間着をめくりあげられ、脇腹から吸血され……。
両脚にやるせない快感が巡り、これで俺の動きは完全に封じられてしまった。
「ベリル、ヒドイよ! そんな可愛い姿をしているのに、撫でることもできないのか!?」
上目遣いでベリルを見て抗議をすると。
フッと笑みを漏らした後、ベリルはルビー色の瞳を妖しく光らせる。
「拓海が動けない分、私が存分に拓海を可愛がる。拓海が文句を言うのを、忘れるぐらいな」
そう言うとベリルの獣耳が、ピクピクと動き、尻尾がフワリと揺れる。
まるで獲物を狙うかのような姿勢をとったかと思うと……。
いきなりベリルが首に腕を絡め、抱きついてきた。
胸板に、ベリルのあの弾力のあるバストが押し当てられている!!
魔力がもたらす快感以上の興奮に、脳が爆発しそうになる。
しかもモフモフの尻尾が、ベリルの気持ちを代弁するかのように、妖しく揺れている。
ゆっくり体を離したベリルは……。
今度は両腕をベッドにつくと、俺の鼻の頭にキスをして、ベロリと舐める。
獣耳と尻尾のあるベリルにそんなことをされると、あまりの可愛さに抱きしめたくなる。
完全にデレ顔の俺を見たベリルは……。
いろいろな場所にキスとペロリを繰り返し、合間に軽く魔力を注ぎ……。
ベリルが動く度に尻尾が揺れる。
目のやり場に困るぐらい、太股は露出していて……。
もう何度意識が吹き飛んだか分からない。
ベリルは存分に俺に甘え、俺は存分に快感を味わった。
獣耳と尻尾、そしてミニ丈ベビードール、万歳!!
ウルフ王国滞在二日目の夜は、甘々モードで更けて行った。
お読みいただき、ありがとうございます!
次回更新タイトルは
『うん!? 何をしている?』
です。
何をしている?
それでは今日もお仕事、勉強、頑張りましょう。
明日のご来訪もお待ちしています!!






