表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
完結●異世界召喚されたら供物だった件~俺、生き残れる?~  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
Episode6ウルフ王国結婚狂騒曲編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

465/547

18:俺の脳裏に薔薇色の世界が広がる

――


「ベリル、そろそろ寝る時間だ」

「うん、そうだな。そろそろ私は部屋に戻ろう」

「待って、ベリル」

「なんだ、拓海?」


――


そう、そうだよ。

それで寝る前におでこにキスではなく、く、唇に、キ、キッスを……。


……。

……。

はぁ……。

想像してしまった。

ベリルとの唇のキスを。


これまで何度ともなく、ベリルにキスをしたくなっていた。

でもそれを全部、我慢してきた。

ものすごい精神力だと思う。

まあ、俺の精神力は、ベリルの吸血で超鍛えられているからな。

魔王でさえ、その制御下におけるぐらい。

だからキスを我慢するぐらい……。

どうってことはない。


なんてわけはなく!

超我慢してましたよ!!

どれだけ我慢したことか~~~。


しばらくはローソファで野垂れ回っていたが、我に返る。


とりあえず『魔王の笛』を、明日着る予定のスーツのポケットにしまうため、寝室へと向かう。


ベリルは明日、ローズピンクのドレスを着ることになっている。それに合わせて用意した俺のスーツは、ライトグレー。ポケットチーフは、ベリルのドレスとあわせたローズピンク。ドレスを着たベリルの隣に並ぶと、二人とも優しい印象になる色の組み合わせだ。


そのスーツのポケットに『魔王の笛』をしまう。

よし。これで問題なし。


「拓海」

「ベリル」


振りかえると、入浴を終えたベリルが、俺の方へゆっくり歩いてきた。苺ミルクのような色味の、可愛らしい長袖のネグリジェを着ている。


そして。


視線は自然とその唇へ向かってしまう。

お風呂上りで少し血色がよくなった、チェリーレッド色のベリルの唇。

艶があり、ふっくらして、柔らかそうだ。


「拓海、もう、寝るのか?」


「あ、いや、その笛を、『魔王の笛』を、明日着るスーツにしまうためにこの部屋に来ただけで」


「そうか。でもまあ、明日も早いし、少し寛いだら休むとしよう」


そう言うとベリルは、ワイン色の綺麗な髪を揺らし、リビングルームの方へと歩き出す。


あ……。


やっぱり寝ようと言えばよかったかな。

それでベッドに横になった時に、モールにキスをしても子供はできないと聞いたと話し、それでキスを……。


いや、待て。

わざわざそんな話をして、キスをするのは、その、いかにも過ぎないか?

それにベリルにとっても、俺にとっても、ファーストキスであることに違いはない。


ファーストキス。

それは人生で一度しか経験できないものだ。

しかもお互いにとってファーストキスという確率は、どれぐらいあるのだろう?


それは……とても貴重なことに思える。


そうなると、俺のキスしたい願望だけで、大切なファーストキスをしてしまうのは……。


ファーストキスは、きっとこの後も何度も思い出すことになるだろう。多分。

ファーストキスを思い出した時。

ウルフ王国に来た初日の夜に、モールからキスをしても子供はできないと聞いたから、早速それをベリルに話し、夜寝る前にキスをした……では味気なさ過ぎる。

思い出した時、ドラマチックと感じるファーストキスにしたい。


例えば……。

そうだ!

俺は6月が誕生日。

そうだよ、それだよ!


俺の誕生日に、ベリルにキスしてもらう。


これだったら毎年、誕生日を迎える度に、ファーストキスのことを思い出し、幸せな気分になれる。

よし。そうしよう。


ということでこの日は、明日の結婚式の出席に備え、少しだけイチャイチャした。


最後はいつも通り、おでこのキスで眠りについた。

お読みいただき、ありがとうございます!

次回更新タイトルは

『拓海くん、久しぶりだな』

です。

いよいよ明日、結婚式のはしご!


それでは今日もお仕事、勉強、頑張りましょう。

明日のご来訪もお待ちしています!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
●第2回ドリコムメディア大賞●
●一次選考通過作●
バナークリックORタップで目次ページ
断罪終了後に悪役令嬢・ヒロインだったと気づきました!詰んだ後から始まる逆転劇
『【完結】断罪終了後に悪役令嬢・ヒロインだったと気づきました!詰んだ後から始まる逆転劇』もおススメです☆

●これぞ究極のざまぁ!?●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢は死ぬことにした
『悪役令嬢は死ぬことにした』

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ