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完結●異世界召喚されたら供物だった件~俺、生き残れる?~  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
【Episode5】ポリアース国聖女降臨編

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72:アオハルだな

「もう手遅れだって分かっている。だから気持ちの区切りをつけるために言わせて。私ね、拓海くんのこと、好きだったみたい」


「え……」


ノエルが俺のことを!?

嘘だろう……。


「好きとは言っても、異性の好きより、家族愛に近い気もするけど……。でもまあ、拓海くんから目を離せなかったし、好きと言う気持ちは事実だよ。それに気づけたのは奇しくもモールのおかげかな」


ベリル以外に告白なんて、されたことがない。

だから未だノエルの告白が現実とは思えないし、どう反応すればいいか分からない。


「あ、ごめん。困るよね、こんなこと言われたら。婚約者もいて、それどころかホリデーシーズンの初日に結婚することも決まっているのに。しかも婚儀へ招待してくれることになっているのに」


まったくもってその通りだ。

告白されること自体は、それは単純に嬉しい。

だって異性として魅力があると言われているわけだから。

でもそれ以上でもそれ以下でもない。

それ以上なんてあってはならない。

俺にはベリルがいるのだから。


「えーとね、何が言いたいのかというと。なんでモールが私に迫るような真似をしたのかは分からない。でも、私は今言った通り、もうこの気持ちは手遅れと分かっている。それに拓海くんには幸せになって欲しいと思っている。心から。嘘偽りなく。だから、もう、あんな風に迫るのはダメだって、モールにはよく言っておいて。何より私は癒しの聖女なのだから。恋愛なんてナシなんだから、ね」


なるほど。

理解できた。


「分かったよ、ノエル。モールにはよく言っておく。それと喧嘩ばかりしていたガキだった俺を、好きになってくれてありがとう」


「あ、言っておくけど、好きになったのは小学生の拓海くんじゃないからね。あの時は完全に弟だから。じゃないと犯罪だよ」


ということは再会してからの俺のことを……。

一瞬、喜びがわき上がるが、いかん、いかん。

俺にはベリルがいるのだから。


「うん。分かったよ。じゃあ、ノエル、先に戻って」


「オッケー。じゃあね、拓海くん。お幸せに」


力強く頷くと、ノエルは部屋へと戻っていった。


ワンテンポ遅れて廊下に戻ると、そこにシナンがいた。


「聞くつもりはなかったが、拓海様」


「まあ、聞こえるよな、そこにいたら」


「青春だな」


「そうだな」


シナンはゆっくり歩きながら、大袈裟に残念そうなポーズをとる。


「ノエル……すごくイイ女なのに、癒しの聖女様か。俺でよければなぐさめたいところだが、さすがに手を出せない」


「シナン」


「なんだ、拓海様」


シナンがこちらを見る。


「ノエルに何かしたらモールに頼んで……」


「拓海様、冗談だから、ホント」


そんなやりとりをしながら部屋に戻った。

昨日に続き来訪いただけた方、ありがとうございます!

この投稿を新たに見つけていただけた方も、ありがとうございます!!

本日もゆるりとお楽しみください。

2話目は8時台に公開します。

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