8:なぜこんなにドキドキする!?
ゆっくりベリルをベッドにおろし、二人でベッドに横になる。
「拓海、今日はいろいろな方面の専門家に会ったのだろう? その胸の紋章、何か分かったか?」
問われた俺は、カイから女性を現す記号(♀)と、アルファベットのWがあると言われたことを話す。
「そんな記号とアルファベットが? 拓海、紋章を見せて欲しい」
ベリルは上体を起こすと、仰向けの俺の寝間着のボタンをゆっくり外していく。
な、なんだろう。
信じられないほどドキドキしてしまうのだが。
ボタンをベリルが外す。
それは吸血や魔力の注入のために、いつも行っていることだ。
だからもはや当たり前のことで、こんなにドキドキする必要はないのに。
なぜこんなにドキドキする!?
……そうか。
これから吸血するわけでもなく、魔力の注入をするわけでもない。
ただ、寝間着を脱がせる、そのためにボタンをはずしているから……。
なんだかエロい妄想をしてしまい、さらに胸の高鳴りが収まらない。
素肌が外気を感じたのも束の間、ベリルの顔が近づき、胸に温かい息を感じる。なんだかゾクゾクしてしまい、ベリルに気づかれないよう、ギュッとシーツを握りしめる。
「これ、か?」
ベリルの指が素肌に優しく触れた。
……!
お、落ち着け。
ただ、紋章を確認するために、指で触れられただけだ。
つつっとベリルが素肌を指でなぞる。
「なるほど、確かに記号に見える」
……。
声が出そうになり、必死で堪える。
「そうか、これが『W』か」
ベリルの甘い息と指の動きに、意識がそこに集中し、何かを感じ取ってしまう。
堪らず目をきゅっと閉じ、顔を横に向ける。
大勢の学者に見られ、その中には女性のヴァンパイアもいた。
でも触れられても、息がかかっても、何も感じなかった。
それなのにベリルが触れただけで、こんなに疼くような気持ちになるとは……。
「拓海」
突然耳元でベリルの声がして、息を飲む。
「なんて顔をしている……」
囁きが甘く、全身から力が抜ける。
「私に触れられて嬉しかったのか?」
ベリルの言葉に酔い、吐息が漏れる。
「……拓海」
そう囁いたベリルは優しく首筋に牙を立て、ゆっくり魔力を注ぎ込む。
「う……」
体を巡る魔力の快感に、声が漏れてしまう。
その後もベリルはゆっくり魔力を注ぎ込み、夢見心地のまま意識が落ちた。
本日更新分を最後までお読みいただき、ありがとうございます!
次回更新タイトルは
『そしてあの夢を見て~至る現在~』
『本当だ――おわっ』
です。
おわっ? 何が起きた!?
それでは今日もお仕事、勉強、頑張りましょう。
明日のご来訪もお待ちしています!!






