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完結●異世界召喚されたら供物だった件~俺、生き残れる?~  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
【Episode1】死亡フラグ遂行寸前編

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37:気を抜いたな、ベリル嬢

走りながら、キャノスは自身の手の平に碧い石を置くと、息を吹きかけた。


美しい碧い鳥が二羽現れた。


「マルコ、館へ。シモネ、バーミリオンの所へ。10名の鮮血の暗殺者の襲撃を受けていると伝えて」


鳥はすぐさま天高く舞い上がったが、その体は透明になって見えなくなった。


「おや、魔法使いがいたのですか?」


前方に先ほどの少女と同じように、ニカブを纏った少女が現れた。


先程の少女のニカブはグリーンだったが、この少女は濃紺のニカブをまとっていた。


二重の黒い瞳を輝かせると、迷うことなく矢を放った。


「Flames, burn them all.(火炎よ、焼き尽くせ!)」


ベリルの火炎が、放たれた矢を一瞬で燃やした。


間髪をいれず、ベリルは叫んだ。


「Attacking with firestorm.(火災旋風)」


炎を含んだ竜巻が起き、少女は慌ててジャンプすると、木々をつたい、後退した。


後退したが撤退する気はないようで、竜巻を避け、こちらへ再び近づこうとしていた。


「あれは魔術が効かない体質(ノー・ダメージ)ではないので、私が相手をします。拓海、ベリル様を連れて逃げてください」


キャノスは俺の手に小さな船のミニチュアを渡した。


「水に浮かべれば人が乗れるサイズになります。いわゆる魔法アイテムです。これで川を下ってください」


「分かった!」


俺はベリルを連れ、道を下り、川沿いに出た。


追っ手の姿は見えない。


キャノスから預かったミニチュアの船を川に浮かべると、あっという間に立派な帆船はんせんに変わった。


ベリルの手をとり帆船に乗り込むと、船は何もしていないのに動き出した。


やっぱり魔法は便利だ。


このまま川を下り、バーミリオン達がいるところまで戻れれば、馬に乗り、森から出ることができる。


そう思った時だった。


進行方向の左岸から五人、まるで砂漠の民のように、頭にはターバン、口元を布で覆った男性達が現れた。


手には銃を構えている。


「大丈夫だ」


ベリルの足元には召喚のための円陣が出現していた。


そして。

船の上空には……。

実物を初めて見た。


不死鳥フェニックスだ。


俺が敵の存在に目を奪われている間に、ベリルは不死鳥を召喚していた。


不死鳥が左岸に向かうと、男達は驚き、すぐさま逃げ出した。


このまま不死鳥に守られ、移動できれば……。


「拓海、伏せろ!」



瞬発力と運動神経の良さに助けられた。

俺は言われた通り、伏せることができた。

さっきまで俺がいた場所を炎が駆け抜けた。


魔術が効かない体質(ノー・ダメージ)なのか⁉」


ベリルが苦々し気に怒鳴った。


俺は首を動かし、後ろを見た。

屈強な体躯の男がそこにいた。


その姿はまるで『千夜一夜物語』に出てくる魔人ジンのようだった。


衣装もそれっぽいし、腕輪もつけているし、絶対に魔人ジンを意識している!と思えた。そしてその魔人ジンのそばには、ローブに杖を持った老人、こちらは見るからに魔法使いがいた。


「なぜ魔法使いが、魔術が効かない体質(ノー・ダメージ)とつるんでいるのだ⁉」


ベリルが驚愕の表情を浮かべた。


俺は別に違和感を覚えなかったが、この世界では相当ありえない組み合わせのようだった。


ベリルの問いかけに魔法使いの老人が、手にしていた杖を掲げて答えた。


「気を抜いたな、ベリル嬢。魔力封印」


それは一瞬のことだった。


起き上がろうと俺が両手を甲板についたその時。


ベリルが床に倒れた。


昨日に続き来訪いただけた方、ありがとうございます!

この投稿を新たに見つけていただけた方も、ありがとうございます‼

本日もゆるりとお楽しみください。

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