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完結●異世界召喚されたら供物だった件~俺、生き残れる?~  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
【Episode1】死亡フラグ遂行寸前編

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36:逃がさないよ~

騎士叙任式の日から一週間が過ぎた。


俺は毎日騎士としての訓練を積み、少しずつだが出来ることが増えていた。特に乗馬は朝、昼、夕方と一日三回に分け練習したことで、かなり慣れてきていた。


それを夜、俺の部屋にちょっと話に来ていたベリルに明かすと……。


「そうか。それでは3日後、馬に乗ってピクニックに行こう」


そう提案した。


この国では決まった休みの習慣はなく、休みたい時は自由に休むことができた。


その代わり有事があればいつでも駆り出されるので、休みたい時に休むという仕組みはこの国では効率的なようだった。ただ暗黙のルールで緊急の場合をのぞき、休む3日前に休みたいことを、上位者に伝えることになっていた。


そして3日後。


俺達……ベリル、三騎士、スピネル、アレンとカレンは、館から20分ほど馬を走らせた場所にある森へ、ピクニックに向かった。


三騎士はいつもの甲冑に、緋色に金糸で紋章が描かれたサーコートを着ている。


ベリルはソプラヴェステという長袖のドレスを乗馬用にアレンジしていた。ライラック色のそのドレスの上に、ストロベリー色のロングケープを纏うベリルは、器用に馬を乗りこなしていた。


俺はと言うと、初めての遠出になるので甲冑は免除され、隊服姿で騎乗していた。


隊服と言えば、スピネルが隊服を着ていたのは斬新だった。乗馬しやすいという理由で隊服を着ていたのだろうが、スピネルは白衣のイメージが強い。だからこそ、その姿は印象に残った。


俺は馬を走らせながら上空を見上げた。

空は青く、雲一つない晴天だった。

快適に馬を走らせ、森へ到着した。


森は鮮やかな色に紅葉しており、リスやウサギなどの小動物も沢山いた。


ランチをするのに最適な場所があるとキャノスが案内してくれたのは、清流が流れる川のほとりだった。


俺達はそこでアレンとカレンが用意したサンドイッチを食べた。


食事を終えたベリルは「拓海は森へ来るのは初めてだ。案内してやろう」と言い、立ち上がった。「ではお供します」と、ヴァイオレットとキャノスも腰を上げる。


スピネルは「川のせせらぎを楽しみながら読書をさせてもらうわ」と、カバンから本を取り出した。バーミリオンは「馬の世話をしておきますので、どうぞ皆さんは散策してきてください」と微笑んだ。


アレンとカレンは俺達の給仕をしていたので、今からお昼ご飯だった。


「ではいってくるよ」


ベリルが歩き出すと、その場に残るみんなが手を振った。


俺が隣で歩き出すと、ベリルはこの森について話しだした。


この森は「ホタルの森」と呼ばれ、夏になると沢山の蛍が見られた。星空も美しく、子供の頃はサマーキャンプでここによく訪れたという。


今の季節は紅葉だが、ちょっと前までは野葡萄、イチジク、栗、アケビ、ザクロなど様々な果実が実り、それを楽しむために街から多くのヴァンパイアが足を運んでいたらしい。キノコやトリュフもとれるそうだ。


人の手はあまりいれていない森のようだが、アーチ型の橋があったり、見晴らしのいい場所にベンチがあったり、丸太を半分に切って地面に埋め込んだ階段があったりで、散策するには最適だった。


しばらく進むと開けた場所に出た。


「ここは――」


ベリルが説明をしようとしたまさにその時。

空気を切り裂く気配を感じた。


「Wall of Fire, Prevent Enemy Attacks.(炎よ、壁となり攻撃を防げ)」


素早くベリルが防御魔術を展開し、ヴァイオレットとキャノスが剣を抜いた。


俺たちの周囲に炎の壁ができ、そこに何本もの矢が降ってきた。


俺もベリルが授けてくれたツヴィークを、鞘から抜いた。


「敵襲だ!」


ヴァイオレットは叫ぶと、炎の中で燃える矢を数えた。


「全部で矢は八本。恐らく指揮官を含め、十名か」


「そのようですね。方角としては北東から放たれています。そちらは手つかずの森が広がっています。そこを踏破して矢を放つということは、プロの仕業ですね」


キャノスが目を細め、北東を睨んだ。

すると再び矢が放たれた。

だが燃え盛る炎の中に再び落ちた。


「この矢のヴェイン、黒い羽に一枚だけ深紅の羽根、これは鮮血の暗殺者が使う矢だ」


ベリルの言葉にヴァイオレットとキャノスの顔色が変わった。


「鮮血の暗殺者が十人⁉ ベリル様、撤退しましょう。この先の道を下れば、川に出ます。そのまま川に沿って進めば――」


「逃がさないよ~」


アニメキャラの女の子のような声が聞こえたと思ったら、炎の壁の中に飛び込む少女の姿が見えた。


少女は、アラブ系の女性が被るようなニカブで頭と顔を覆っている。


そんなもので炎を防げるのかと思ったが、姿を現した少女に炎の影響はゼロだった。


リスのようなくりっとした瞳の少女は、シャムシールという曲刀きょくじんを手にしていた。


「おとなしくしてくれれば、命は奪いませんから」


少女は可愛らしい声で告げた。


するとヴァイオレットがすぐ反応した。


「コイツは魔術が効かない体質(ノー・ダメージ)だ。私が相手をする。キャノス、拓海、ベリル様を頼む」


俺達はすぐさま左手に見える道に向かって走り出した。


同時にヴァイオレットと少女の戦闘が始まった。


ヴァイオレットと戦闘をしているのに、少女は余裕の声をあげていた。


「え~、逃げないでくださいよぉ」


本日更新分を最後までお読みいただき、ありがとうございます!

次回更新タイトルは『気を抜いたな、ベリル嬢』他2話です。

それでは今日もお仕事、勉強、頑張りましょう。

明日のご来訪もお待ちしています‼

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