69:結局徹夜
ひとまず聞ける話は聞けたので、捕えた『アマゾネス』については、司法の場で裁いてもらうことになる。地元の警察が駆け付け、『アマゾネス』達は全員連行されていく。今回の一件で暗殺組織が丸々ひとつ壊滅することになった。それを潰したのはレッド家と『ザイド』。もはやブラッド国で暗躍しようという暗殺組織は、名実ともにいないだろうとシナンは言う。
『アマゾネス』は連行され、俺達は警察から話を聞かれることになった。だがベリルの立場が考慮され、オックス家の応接室で聴取されることで落ち着いた。すでにベリルはオックス家の電話をかり、ロードクロサイトに今回の一件を報告している。するとロードクロサイトは明け方5時という時間にも関わらず、迅速に動いてくれた。その結果、警察による聴取はこの一度限りで済み、あとは弁護士で対応するということで話もついている。
聴取が終わり、ようやく宿に戻っていいとなったのは7時過ぎ。結局徹夜だったが、まだ興奮冷めやらずで、眠気は全然ない。
キャノスが連絡していたので、オックス家にはアレンとカレンがマイクロバスで迎えに来てくれていた。
いよいよ帰れるとなった時。
オックス夫妻とその息子は、土下座でベリルに謝罪した。
脅されていたのなら仕方ないとベリルは彼らをなぐさめ、そして……。
「今度はお店の方に足を運ばせてもらう。その時は炭火で焼いたスペアリブをいただきたい。連絡をいれるので、その際はぜひ、ハンヌ殿に調理して欲しいと思う」
この言葉にブリタ夫人はハッとした顔になり、こう打ち明ける。
「なんとか当家の異常をベリル様に伝えられないかと、あえて炭火で焼いたスペアリブを出さないようにしたのです。ベリル様は気づいてくださり、本当はそこで私がしどろもどろになることで、ベリル様が『おかしい』となることを期待していたのですが……。あの部屋にいた召使いはすべて『アマゾネス』の暗殺者。見張られている状態で、結局何一つベリル様にお伝えすることができず……。それどころか『アマゾネス』に力を貸すことになり、本当に申し訳なく思っています」
「そうでしたか。でも人質をとられ、三人の幼い娘さんもいたのです。無茶はできなかったことはよく分かります。では炭火で焼いたスペアリブも、ブリタ夫人、あなたの得意料理なのですね」
ブリタ夫人はこくりと頷いた。
「ではぜひご家族揃って、私が暮らす街メクレンブルに来てください。今度はレッド家が招待させていただきます。そしてお店で、炭火で焼いたスペアリブを食べさせてください」
ベリルのこの一言に、夫妻も長男も喜んだ。
こうして俺達はオックス家の人々と別れを惜しみつつ、マイクロバスに乗り込んだ。シナンはカトラズに戻ると言い、綺麗なマダムが貸してくれた車で帰っていった。
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2話目は8時台に公開します。






