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完結●異世界召喚されたら供物だった件~俺、生き残れる?~  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
【Episode4】デスヘルドル波乱の予感編

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57:嫌な予感に、背中に汗が伝う

街の方へなぜ歩いていたのか。

その理由はすぐ分かった。

シナンが運転する車がやってきたのだ。


「この車、どうしたんだ!?」


驚いて尋ねると、シナンはしれっと答える。


「うん。ちょっと綺麗なマダムを褒めたら、貸してくれた」


顔を見た瞬間から、何やら男の色気、フェロモンを感じた。


シナンは女性の標的ターゲット専門の暗殺者。

それって、女性のハートを落とすのも長けているってことなのだろうな。


無言のままシナンは、ドキッとするような笑顔を見せ、後部座席を親指で示す。


「とりあえず、車に乗れよ、二人とも」


シナンに言われ、俺は助手席に、キャノスは後部座席に乗り込んだ。車はさっきの門番がいた方向には向かわず、右手の道を進む。キャノスは手短にさっき俺に話したことを、シナンに聞かせた。


「なるほど。『アマゾネス』の奴ら、よくまあ、俺達『ザイド』がいるブラッド国に乗り込んできたものだ。……それが『アマゾネス』でもあるわけだが。しかし、もう一組雇っているとなると、依頼主は相当な金を積んでいるな。狙いはやはりベリル様か」


「そうですね。ただ、次期当主はカーネリアン様です。なぜベリル様を狙うのか……」


キャノスの呟きに、シナンはおどけたように笑う。


「おいおい、キャノス。お前さん、平和ボケか? ベリル様はレッド家の頭脳ブレインだろう? 当主補佐なんて肩書きまで作ってレッド家に留めている。ベリル様を狙えばレッド家を弱体化できる」


「……そうでしたね」


「で、この屋敷はどうなっている?」


シナンの問いに、俯いたキャノスが顔をあげる。


「さっきマルコに確認させたところ、裏口の方にも門番が二人いるようです。この道沿いは誰もいませんが、魔術が使われています。おそらく塀を無理によじ登れば、阻まれるでしょうし、気づかれるでしょう」


「となると、裏口の門番が『アマゾネス』の奴らか確認するか。まあ、もしそこも『アマゾネス』だったら、本体ごとベリル様の暗殺を請け負った可能性も出てくるな」


「シナン、本体ごとって!?」


嫌な予感に、背中に汗が伝う。


「『アマゾネス』はそこまでデカい暗殺組織ではない。構成員は二十人。もし裏門も『アマゾネス』の暗殺者で固めているとなると、門番だけで四人だ。で、ベリル様のところにいる『アマゾネス』が一人なわけがない。となると五人一組で動く『アマゾネス』が、最低でも二組動いていることになる。……キャノスに聞いた話から推測すると、おそらく当主と息子が人質に取られているだろうな。そして脅されたブリタ夫人は、魔法薬入りの料理を提供した可能性が高い。となると、当主と息子を見張る人員も必要となる。それにこの屋敷には相応の数の騎士がいるはずだ。それを制圧したとなると、『アマゾネス』本体、俺が始末した五人を除く、十五人がかりで仕掛けた、と判断したわけだ」


さっき、キャノスはシナンが一流と言っていたが、本当だ……。瞬時にこれだけの分析ができるとは……。


なんだかちゃらいイメージがあるが、ゼテクがスティラの護衛に選んだだけある。


「さてと。裏門が見えてきたな。キャノス、もし門番が『アマゾネス』だったら俺に考えがある。任せてもらえるか?」


「もちろん」


シナンは裏門の前で車を止めた。

昨日に続き来訪いただけた方、ありがとうございます!

この投稿を新たに見つけていただけた方も、ありがとうございます!!

本日もゆるりとお楽しみください。

2話目は8時台に公開します。

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