45:ベリルの胸がしっかり腕に触れている
こうして変身した俺達は、宝石博物館に向かうため、馬車に乗って宿を出発した。
性別が変化したリマと俺は、それぞれの名を、リマはリディオ、俺はダナ。両方ともベリルが選んでくれた名だ。
リディオは、ベリルが子供の頃に飼っていた猟犬の名前。ダナは、今は隠居しているベリルの乳母の名前だ。
最初に訪れた宝石博物館には、原石からカット石、そして完成品の宝飾品の状態のものまで、約2000点近くが展示されている。しかもライトがうまい具合に当てられており、どれを見てもキラキラして、その美しさを細部をまで確認できる。
サイレントヴィレッジを代表するアベンチュリンの展示は特に充実しており、希少な赤いアベンチュリンもいくつか展示されている。でもやはりエストレーリア宝飾品店で見つけた赤いハートのアベンチュリンが、一番美しいと思えた。と、同時に、デスヘルドルとの国境付近で拾った赤いアベンチュリンのことを思い出す。
あの時はベリル見たさの沢山の群衆と遭遇し、スティラに落とし物として渡すつもりが、すっかり忘れてしまっていた。キャノスも思い出したのだろう。一通りの展示を見終えて、ミュージアムショップでベリル達がお土産を見繕っている時に、話しかけてきた。
「ダナ、あの時に拾った赤いアベンチュリン、スティラに届けそびれてしまいましたね」
一瞬、ダナって誰だよ?と思ったけど、自分なのだと思い出す。
「そうなのです。あのドタバタですっかり忘れてしまって」
スピネルに叩き込まれたから、美少女に変身した時の話し方は、お手の物だ。
「シナンに会った時に、渡してもらうようにしましょう」
「そうですね。確かコートのポケットに入れていたはずですが、宿に戻ったら確認しないと」
そんな会話をしていると、ベリル達が戻ってきた。
「よし。次は植物園へ行こう、拓海」
満足のいくお土産を手に入れることができたようだ。
ベリルが上機嫌で俺の腕に自身の腕を絡ませ歩き出す。
何気にこの状態、最高だったりする。
普段の俺とベリルで、腕を組んだことはない。
手をつなぐか、エスコートでも腕を掴むぐらいだ。
でもこうやって腕を絡めると……。
ベリルの胸がしっかり腕に触れている。
しかも変身したベリルの胸は、フローライトのような、ふわふわ癒し系のバストだ。
もちろん、普段のベリルの、張りがあって弾力のあるボリューム系のバストは最高。
いつかこの手で……という妄想を膨らませてくれる。
一方の癒し系のバストは、ただただ柔らかく、心が和む……。
しかもこれがベリルだと思うとさらに興奮してしまう。
二種類のバストを楽しませてくれるなんて、ベリルは女神だ。
腕を組んで歩き出すと、メロメロになってしまうのだが……。
「おい、ダナ、お前、さっきから顔がデレデレでキモイんだよ」
美少年になり、さらに口が悪くなったリマ……リディオにお尻を叩かれる。
「ちょ、何をしますの、リディオ!」
「そんなレディのフリをしてもバレバレだからな。この破廉恥女!」
「もーっ、ヒドイです!!」
変身して、なんだか喧嘩の度合いがひどくなった気がした。
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2話目は8時台に公開します。






