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完結●異世界召喚されたら供物だった件~俺、生き残れる?~  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
【Episode4】デスヘルドル波乱の予感編

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28:私以外の女子のことを考えることは許さない

「拓海」


急に名前を呼ばれ、細い路地に引っ張り込まれた。


「!?」


ベリルが抱きつき、急にもたらされた刺激に、心臓が飛び跳ねる。


その体と髪から、立ち上る薔薇の香り。

服を着ていても感じる、柔らかい体とバストの弾力。

瞬時にとろけそうになる俺に、ベリルが耳元で囁く。


「私以外の女子のことを考えるなんて、許さない」


温かい吐息が耳をくすぐり、甘い言葉にもう腰砕け状態だ。


「勿論だよ。俺はベリルのことしか考えていないよ。女子っていうのは、一般論だ。女子は一般的に宝飾品が好きなのかな、って」


すると。


「……なるほど」


さっきまでの甘い雰囲気は消え、ベリルは体を離すと手をつなぎなおし、路地を出る。


街路樹のところで立ち止まっていたヴァイオレットとキャノスはさっと目配せをし、動き出す。二人のそばのベンチに座っていたリマは、背筋が凍り付きそうな一瞥をこちらに向け、ぷいっと横を向く。シナンはニヤニヤと俺を眺めている。


ベリルは何事もなかったように歩き出し、俺は恥ずかしさと照れくささで顔を赤くした。


やきもちやきで独占欲は強いけど、デレツン……。


これは、なんというか……絶対に主導権というかリードすることができないタイプの女子では……。


いや、でも。


婚姻の儀式に関して言えば、ベリルも俺も知識はゼロに等しい。それに基本的に新郎がリードだ。だから婚儀の日取りが決まったら、スピネルがベリルに指導するという書物も、新郎のリードを前提としているハズ。


大丈夫。

とりあえず婚儀の時だけは、俺が主導権を握ればいい。

あとはもう、ベリルのデレツンをどっぷり楽しもう。


「あ」


思考を中断し、声を出していた。ベリルも同時に声を出し、二人の声が重なっている。


赤いアベンチュリンだ……!

しかもハートの形をしている。

美しく発色した赤だった。しかも内包された金色の粒子の細かい粒が、綺麗に輝いている。


なんだろう。

砂金のような粒子と赤い色のこの組み合わせは、カリフォルニア星雲を思わせた。


カリフォルニア星雲は、ペルセウス座にある星雲だ。その形がアメリカのカリフォルニア州に似ているため、その名が命名されたことで知られている。


それにしても本当に美しいな……。


「この赤いアベンチュリン、ベリルに似合いそうだ」

「ふふ。ハートの形というのも愛らしいな」


ベリルの横顔を見て確信する。


……気に入っている!!

素早くお店の名前を確認した。


エストレーリア宝飾品店か。よし。後日、ここに訪れよう。


その後もルペ通りの散策を続け、いくつか赤いアベンチュリンを発見した。だが、色、金色の粒子、形、そのすべてが見事と言える美しさなのは、エストレーリア宝飾品店の、あのハート型の赤いアベンチュリンだけだった。


しかもベリルが目をとめた赤いアベンチュリンは、エストレーリア宝飾品店のものだけ。


自由行動の時間があれば、キャノスと一緒に赤いアベンチュリンを探しに行くつもりだった。でもベリル本人がいいと思うものを見つけることができたのは、とてもラッキーだ。


一応、宿に戻ったらお店に電話してキープしてもらおうかな……。

でもお店にいつ行けるか分からない。

そんなことを考えているうちに、ルペ通りが終わっていた。


ルペ通りを抜けると、大きな公園があり、その周辺にはオシャレなカフェが立ち並んでいる。そのうちの一軒に入り、休憩をして、その後はルペ通りとは違う通りを歩き、宿まで戻った。

本日更新分を最後までお読みいただき、ありがとうございます!

次回更新タイトルは

『俺、ホント、ラッキーだったな。』

『ベリルとのあれやこれやを妄想』

です。

キャノスとシナンの協力で

すべては順調に進んでいる……?


それでは今日もお仕事、勉強、頑張りましょう。

明日のご来訪もお待ちしています!!

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