表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
完結●異世界召喚されたら供物だった件~俺、生き残れる?~  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
【Episode4】デスヘルドル波乱の予感編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

291/547

7:男のフェロモンが全開

朝、目覚めると、当然のようにベリルの姿はなかった。


でもとても満たされて起きることができた。おかげでアレンが来る前に起床した上に、制服への着替えも終えていた。コーヒーポットを手に部屋に入ってきたアレンは、残念そうな顔をしている。一方の俺は、優雅に目覚めのコーヒーを飲み、朝食を摂るため部屋を出た。


朝食を終えると、早速、幽閉施設のあるサイレントヴィレッジへ向け出発だった。


エントランスホールには、既にアレンがスーツケースを運んでくれていた。


一番乗りでソファに座り待っていると、続々とみんながやって来る。


キャノスは俺と同じ制服姿だ。

白のワイシャツに黒のブレザー、胸のエンブレムはレッド家の紋章だ。黒のズボンに黒の革靴、そしてチャコールグレーのダッフルコート。こう見ると本当にキャノスは高校生にしか見えない。


ちなみに俺はライトグレーのピーコートで、それ以外は完全にキャノスとお揃いだ。


ヴァイオレットとリマはいつもの隊服に、真冬用の黒のロングコートを着ている。


そしてベリルは……。


エンジ色の胸元の大きく開いたドレスに、首元には花の形のコンクパールのチョーカー。Aラインのコートはライトグレーで、首元と袖にグレーの毛皮がついている。コートの色はなんだか俺にあわせてくれたみたいで、思わず頬が緩む。


ソファから立ち上がり、ベリルの所へ行こうとしたその時。


扉を開け、外から中へ入ってきた、長身の男性に目が釘付けになる。


カフェオレのような肌に、艶のある黒髪。

長い黒髪は後ろに一本で束ねられている。

二重の瞳の色はピーコックグリーン、鼻は高く、血色のいい唇で、頬のほくろが目を引く。


白のガラベーヤに金糸で模様が描かれた黒い厚手の上着を羽織っている。ジャマールと同じぐらい身長があり、多分、2メートル近い。


エキゾチックな雰囲気を醸し出すこの男性は、ベリルの姿を見ると、その場で片膝を床につき、ひざまずいた。


そして恭しくベリルの手を取ると、その甲にキスをする。


「ベリル様、『ザイド』のシナンだ。この度、サイレントヴィレッジにある幽閉施設『カトラズ』の施設長スティラの護衛の任に就くことになった。短い道中とはなるが、共にベリル様と旅できること、大変嬉しく思っている」


あれがスティラの護衛につく『ザイド』のメンバーなのか。


とんでもない美貌の青年だ。そしてなんとも男のフェロモンが全開……というか……。


ベリルを見上げるシナンの瞳がなんだか情熱的に感じられ、落ち着かない気持ちになる。


「皆さん、バスは到着しているので、乗車をお願いします! 荷物はぼくとアレンで積み込むので、そのままで大丈夫です」


見るからにバスの運転手という制帽に制服姿のカレンが現れた。


シナンの存在感というか、オーラがすごくて、動けなくなっていた。でもカレンの今の一言で、目に見えない呪縛から解放されたようだ。今度こそ、ベリルのところに行こうとしたら……。


シナンがベリルのことをお姫様抱っこしている。


「シナン、何の真似だ!?」

「今、バスに乗るようにとのことだったので、ご案内しようかと」

「!? バスぐらい自分で乗れる!!」


ベリルが抗議する間にも、シナンはエントランスホールから出て行ってしまう。


「リマ、シナンは随分強引なことをする方のように見えますね」


キャノスにふられたリマは肩をすくめる。


「シナンは『ザイド』の中で、女性のターゲット専門で暗殺をしていたの。通称レディ・キラー。だから女性を見ると、相手の懐に入り込みたくなっちゃうみたい。特に美しい女性には目がないから。ベリル様はかなり美人でしょ」


「なるほど。躾がなっていない犬ですね」


キャノスが珍しく辛辣な表現をしたので、ビックリしてしまう。


「拓海、行きましょう。拓海はベリル様の婚約者なのですから」


「あ、うん」


返事をするなりキャノスに腕を掴まれ、慌てて歩き出す。


カレンとアレンはみんなのスーツケースをバスに運び込もうと、忙しそうに動き回っている。ヴァイオレットはシナンを追い、バスに向かっていた。


今回、カレンとアレンも同行するのか。


アレンもカレンと同じ運転手のような制服を着ているし、二人で交代しながら運転を担当するのだろう。


そう思い、エントランスに出ると、そこにはマイクロバスが止まっている。


普段の移動は馬車だ。

でも今回は距離もあるし、旅行でもないから、のんびりはできない。


しかし乗客は七名程度なのに、マイクロバスとはすごいな。


そんなことを思いながらバスに乗り込むと……。

本日更新分を最後までお読みいただき、ありがとうございます!

次回更新タイトルは

『俺のベリルに指一本触れさせない』

です。

何が起きた……?


それでは今日もお仕事、勉強、頑張りましょう。

明日のご来訪もお待ちしています!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
●第2回ドリコムメディア大賞●
●一次選考通過作●
バナークリックORタップで目次ページ
断罪終了後に悪役令嬢・ヒロインだったと気づきました!詰んだ後から始まる逆転劇
『【完結】断罪終了後に悪役令嬢・ヒロインだったと気づきました!詰んだ後から始まる逆転劇』もおススメです☆

●これぞ究極のざまぁ!?●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢は死ぬことにした
『悪役令嬢は死ぬことにした』

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ