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完結●異世界召喚されたら供物だった件~俺、生き残れる?~  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
【Episode3】俺の貞操大ピンチ編

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98:オトナ向けの雑誌とは何なのだ?

隣室に移動してからは、一旦事件の話から離れることになった。


代わりに、キャノスがカーネリアンの邸宅の修復作業中に直面したこぼれ話で、盛り上がることになった。


一番盛り上がったのは、カーネリアンの部屋から発見された、オトナ向けの雑誌だ。


「私の推理だと、カーネリアン様は突然、魔女にさらわれた、という演出を完璧にしたかったと思うの。もし部屋にそんな雑誌が一冊もないとなると、まるでさらわれることを予見していたのか、ってなっちゃう。だからカーネリアン様の部屋に、その雑誌はあったのよ。それでカーネリアン様が魔女にさらわれた後も、部屋は変わったものの、荷物はそのまま移動され、保管されていた。


そして今回カーネリアン様が戻り、新しくあの邸宅を住まいと定め、今の部屋に昔の荷物が運び込まれた。優秀な召使いは以前の部屋にあったものをきちんと詰めて、部屋に運んだ。それが今回の襲撃で、完全に焼けてしまえばいいものを、中途半端に残ってしまった。そしてキャノスくんはそうと気づかず、うっかり修復しちゃった、そんな感じじゃない?」


スピネルは紅いフレームをくいっとあげ、楽しそうに分析する。


「そのオトナ向けの雑誌とは何なのだ? 兄上がそれを持っていると、何かおかしいのか?」


ベリルが皆を見渡し尋ねた。


箱入りの娘のベリルは、この手の情報に疎い。ロードクロサイトがその手の情報を、ベリルに与えないようにしているからだ。その結果、ベリルは疎い分、知りたいという知識欲が逆に強化されてしまった。でもオトナ向けの雑誌なんて、ベリルは知る必要ないだろう、と俺は思うのだが……。


「ベリル様、多分、それはオトナのダンディな男性が読む雑誌のことだと思いますよ。きっとオシャレなレストランやデートスポットが紹介されているのですよ!」


リマがどうだという顔で、ベリルに間違った情報を与えた。

……そうか。リマもまたこの手の情報には疎いのか……。


「なるほど。レストランやデート向けの情報が載っているなら、何も兄上が持っていてもおかしくないと思えるが。……もしや婚約者もいないのに、デートを考えるのは先回りしておかしいということか?」


「そうだと思います、ベリル様!」


ベリルとリマは嬉しそうに意気投合しているのだが……。


「ベリル様、その話題、私が振ってしまったので、責任を取り、説明させていただきます」


キャノスが神妙な顔で手を挙げた。


「なんだ、キャノス、急に真面目になって」


ベリルが指摘し、リマが不思議そうにキャノスを見る。


「オトナ向けの雑誌というのはですね、主に成人している男性ヴァンパイアが見る雑誌です。そこには女性ヴァンパイアのヌード写真などが含まれています。異性への興味から男性ヴァンパイアが手に取る雑誌です。通常、そんなものを見ていることは、隠したいと思います。しかもカーネリアン様は、バーミリオンと婚約されたばかり。そんな雑誌を持っていることを、バーミリオンにはバレたくないはずです。ですので、うっかり修復してしまった雑誌は、一旦私の方で預かりましたが、確認とれ次第、廃棄します」


このキャノスの分かりやすく真面目な説明に、ヴァイオレットとリマは顔が真っ赤になり、スピネルは「やれやれ」という顔をしている。


しかしベリルは……。


「それはすごいな……。異性の全裸など、絵画でしか見たことがない。そのオトナの雑誌、女性ヴァンパイア向けはないのか?」


その問いにはキャノスは、目をパチパチさせ困り切っている。


「ま、まあ、ベリル様。異性の体というか、仕組みや構造に興味があるのですよね。以前もお貸しした解剖学の本、またお読みになりますか?」


スピネルが火消しに走る。


「……解剖学……。まあ、そうだな。だいぶ前に目を通してから時間が経っている。もう一度読んでみるか……」


ベリルが素直で良かった。


「ベ、ベリル様、そろそろ部屋に戻りましょうか。昨日の今日ですし、ベリル様の第一騎士として、早めにお休みいただくことを希望します」


ヴァイオレットもこの話題を終わらせようとした。


「俺もそろそろ休んだ方がいいと思う」


一応表向きはみんなの援護射撃に回った形だが、実際は……。


そろそろベリルと二人になりたかった。

スピネルの映画のヒロイン&ヒーローではないが、昨日はあんなことがあった。

少しはベリルとイチャイチャしたい。


「……そうか。では部屋に戻るか」


こうしてお開きとなった。

本日更新分を最後までお読みいただき、ありがとうございます!

次回更新タイトルは

「いきなりイチャイチャできるのかな。」

です。

そろそろベリルに甘えたい拓海は……。


それでは今日もお仕事、勉強、頑張りましょう。

明日のご来訪もお待ちしています!!


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 ==エピソード1完結==


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ちょっとでも興味をお持ちいただければ

本編を読んでいただけると嬉しいです!

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