27:どうして服を脱がすんだ?
「ベリル、早速始めるか?」
「……そうだな」
俺はベッドに向かいながら尋ねた。
「ベリル、スピネルに聞いた。ブノワの魔力を検知して、防御魔術を使おうとしていたんだろう? 余計なことをして邪魔をしてしまい、すまなかった」
「そんな、余計だとか邪魔だとか、そんなことは思っていない」
「そうなのか?」
俺はベリルを見た。
「……私を庇おうとしてくれたこと、心から感謝している。ありがとう」
……!
ベリルが視線を落とし、頬を赤く染め、照れたような口調で謝意を口にした。
俺は驚き立ち止まりそうになったが、なんとか歩き続けた。
ベリルは強いし、レッド家の長女だ。誰かにお礼を言われはすれど、自分から言うことにはきっと慣れていないのだろう。
「こんな俺でも役に立てて良かったよ」
「……」
ベッドに着くと早速、腰をおろした。
「横になるか? それともこのままで?」
「……そのままでいい」
ベリルはまだとまっていたボタンを全てはずし、シャツを脱がそうとした。
「……なあ、ベリル、どうして服を脱がすんだ?」
「拓海はこの白いシャツを気に入っているのだろう? だから万が一にも汚れないようにと思って」
「ベリル……」
「まあ、このシャツを着ている時に吸血するのは初めてではないが、私も余裕がある時とない時がある。その場合はシャツに気を回すことができないかもしれないが、それは許して欲しい」
ベリルがゆっくり、肩が出るぐらいまでシャツをおろした。
「もし、シャツを汚してしまったら、もちろん新しいものを用意させる」
「大丈夫だよ、ベリル。一度もベリルの吸血で服が汚れたことはないから」
「そうだな」
そう言うとベリルが前屈みになり、顔を首に近づけた。
その瞬間。
俺は見てしまった。
前かがみになったベリルの胸の谷間を。
絶景だ……!
だがすぐに激痛と快感が全身を駆け巡った。まるで雷が落ちたかのように。
体から力が抜け、後ろに倒れそうになったが、ベリルは俺を抱きしめ、倒れないようにした。
なぜ後ろに倒れそうになったのに、止めるんだ?
ベッドに座っているから問題ないのに。
ああ、それにしても何度感じてもこの気持ちの良さは……堪らないな。
しかも今、ベリルのバストは俺の胸板に押し当てられた状態だった。
でも俺の意識は体内を巡る快感でいっぱいいっぱいになっており、外的刺激を感知できる状態ではなかった。
こっちの刺激も感じられたらいいのに……。
……!
二回目の吸血が行われた。
さらなる快感が俺の体の中で踊り狂った。
あああ……。
……そうか、一度の吸血では終わらないと思って体を支えているんだ。
結局、吸血は5回行われた。
本日更新分を最後までお読みいただき、ありがとうございます!
次回更新タイトルは
『俺ってこの世界でいち早く死ぬわけですね』
『来年から婚活しようかな』
『ベリルの美しい体のラインが浮き彫りに』です。
それでは今日もお仕事、勉強、頑張りましょう。
明日のご来訪もお待ちしています‼






