表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
完結●異世界召喚されたら供物だった件~俺、生き残れる?~  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
【Episode3】俺の貞操大ピンチ編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

248/547

65:お触りし放題

「ポリアース国での生活に慣れた頃、とてもユニークな集団に出会えてね。そしてその集団に関するある面白い情報も、ぼくは掴んでいた。さっきのあの女。あの女も、ぼくに惚れ込んでいてね。いくら別れようと言っても、別れてくれなくて。学生の頃からだよ。今も仕方なく付き合っているけど、彼女がいろいろ、ブラッド国での出来事を教えてくれた。そこでぼくは、ある計画を思いついた」


またも薄笑いを浮かべ、ウォルトが俺を見る。


ウォルトは分類すれば、イケメンだと思う。

だが俺は男だ。

こんな笑みを向けられても、キモイだけである。


「ぼくは失った魔力を取り戻したいと思っていた。そのためには、ヴァンパイアから吸血すればいいのだが、見ず知らずのヴァンパイアから吸血して、魔力を奪うのは申し訳ないだろう? ここはぼくを貶めた悪女から奪わなければ意味がないと思った。ただ、その悪女は……まあ、悪女だからね。悪知恵も働くし、しかも富も名声もあり、とんでもなく魅力的な体と美貌を持っている。あの女を屈服させるのは、一筋縄ではいかない。面倒だが、あの女の弱点を押さえ、そしてあの女が、泣いてぼくに吸血を請う状況を作り出す必要があると思った」


思わずため息が出た。


面倒な奴だな、と思った。

なんでそんな回りくどいことをする?

正々堂々正面から、勝負を挑めよ。

同じ男として、情けない奴だと思った。

見てくれはいいのに、残念な奴だ。


「そこで、例のポリアース国で出会ったある集団に協力を仰いで、あの女の弱点を盗み出そうとした。ある集団の方もね、ちょうどその悪女のところに囚われている仲間がいた。その救出も兼ね、ぼく達は手を取り合い、乗り込んだわけだけど……」


ウォルトはそこで初めて、挫折感をにじませる。


だが。


すぐに笑顔に戻る。


なんなのだ、この無駄に前向きな思考は。


「弱点を押さえる必要があったのは、ぼくに魔力が10パーセントしかなかったからだ。でもダリア、君のおかげで間違いなく、ぼくの魔力は回復した。だってあのレッド家からの猛攻を、振り切ることができたのだから。しかも以前より、魔力が強まった気さえした。もうあの悪女の弱点なんて、どうでもいい。この力があれば、あの悪女の家ごと潰してやれる。……本当に君に出会えて、ぼくはラッキーだったよ」


ウォルトは再び手を伸ばし、俺の胸の前の空間を、今度は両手で撫でた。


……ちょっと待ってくれ。

この手の動き、まるで……。

俺はそこで思い出す。

自分では視認できない。しかも触覚もない。

だが、ウォルトには見えている。

俺の変身した体が。ダリアという爆乳の美少女の体が!!


最悪だ。


ウォルトは、俺には見えないダリアの体を、お触りし放題だ。


何せこちらは宙づりに近い状態。なす術もない。

ただ、俺は何も見えないし、感じない。

だから勝手にどんどん興奮するウォルトを、眺めるだけ。

勘弁してくれよと、俺が目をつむっていると……。


「……ダリア、君も気持ちよさそうだね」


はあああああ!? そんなわけないだろうが、ボケ!!


「この姿勢では苦しいだろう。ぼくもこの姿勢では……」


ウォルトはそう言うと、視界から消えた。


……これから俺、どうなるのだ……?

昨日に続き来訪いただけた方、ありがとうございます!

この投稿を新たに見つけていただけた方も、ありがとうございます!!

本日もゆるりとお楽しみください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
●第2回ドリコムメディア大賞●
●一次選考通過作●
バナークリックORタップで目次ページ
断罪終了後に悪役令嬢・ヒロインだったと気づきました!詰んだ後から始まる逆転劇
『【完結】断罪終了後に悪役令嬢・ヒロインだったと気づきました!詰んだ後から始まる逆転劇』もおススメです☆

●これぞ究極のざまぁ!?●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢は死ぬことにした
『悪役令嬢は死ぬことにした』

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ