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完結●異世界召喚されたら供物だった件~俺、生き残れる?~  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
【Episode3】俺の貞操大ピンチ編

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58:一週間ぐらい私の部屋に閉じ込めて……

昼食を終え、昨日と同じく、スピネル、リマと共に病院へ向う。


だいぶ見慣れた隊服姿のリマは、昨日に比べ、妙におとなしい。


「リマちゃん、どうしたの? 今日はやけにおとなしいわね」


スピネルが思わず指摘するほどのおとなしさだ。


「……なんだか、調子が狂って……。拓海がそんな状態だと」


リマは俺をチラッと見るが、いつものようなキツイ目つきではない。


「話し方も仕草も、女子そのもので。変身魔法が使われているって分かるけど、なんというか……」


「まあ、リマちゃんにそう言ってもらえると、私も頑張った甲斐があるわ~。何せ時間がなかったから、かなりスパルタにやらせてもらったけど……。本当は、一週間ぐらい私の部屋に閉じ込めて、じっくり調教したかったわ」


紅いフレームの眼鏡越しに、スピネルの瞳が妖しく光る。


背筋が寒くなり、この恐ろしい話題から逃れようと質問する。


「ス、スピネルさん。私の血を分け与えるのは、ルチアとクンツともう一人でしたよね。もう一人の方は、どんな方ですの?」


なぜそんな質問をするのかというと。


もう一人の騎士は、顔面にかなりの傷を負っていたのだ。だから昨日、訪問した際は直接会うこともできず、ガラス越しにその姿を見るだけだった。ただ名前がウォルトである、ということしか聞いていない。


「ああ、ウォルトね。彼は精鋭騎士ではなく、通常の警備の騎士だったの。精鋭騎士でもあれだけの怪我を負う事態だったから、ただの騎士ではね……。可哀そうなことになったと思うわ。顔の傷がひどくて、吸血もできないから、失った血は輸血でまかなうことになったし。元々魔力がそこまで強いわけではなかったようね。その上で今回の大怪我で、かなりの血と魔力を失ったみたいで……。でも今朝確認したら、顔の傷もかなり落ち着いて、拓海くんからの吸血もできる状態だそうよ」


「そうなのですね。そこまで回復したなら、よかったですね」


そんなことを話しているうちに、病院の建物が見えてきた。


入口には、昨日と同じ装いの、フローライトが待っていてくれた。その傍には、ムーングレイの上下の作業服姿の、看護師の男性もいる。


「お姉さま、お待ちしていました。この方が……。ベリル様が召喚された、供物の人間の方ですね」


フローライトが俺のことを、興味深そうに見ている。


「そうなのよ。ただの人間ではないの。供物なのに会話もできる。それにどうも祖先にヴァンパイアがいたようで、血が普通と違うというか。とにかく上質。だから傷が深く、血を多く消失してしまったルチア、クンツ、ウォルトの三人に、血を与えてみて欲しいと」


「そうなのですね。ベリルお嬢様からの差し入れとなれば、三人とも喜ぶと思います」


フローライトはそう言ってから、俺達の周囲を確認した。


「何、フローライト?」


「あ、その、拓海様はいらっしゃらないのかなと。リマさんは、拓海様の護衛で昨日来ていたと思うので」


!!


ドジっ子のイメージが強いが、カーネリアンの専属医だけある。


昨日、リマのことを紹介した時は、ただの護衛としか紹介していない。でもリマの動きをちゃんと見ていたのか。


「拓海くんは今日、部屋にいるわ。ベリル様との婚儀もあるから、レッド家の歴史について勉強しているみたいね。リマちゃんは、私とこちらの供物のダリアの護衛でついてきてくれたの。私は非戦闘員で、非力だからね。守ってもらわないと」


「そうでしたか。……では三人のところに案内しますね」


フローライトが歩き出し、俺達はその後に続く。

俺達が案内されたのは、フローライトの診察室だ。


そこで待機していると、看護師に連れられ、まずルチアが入ってきた。

本日更新分を最後までお読みいただき、ありがとうございます!

次回更新タイトルは

「すごい! 本当にしゃべった」

「異性として意識する気配をビリビリ感じる」

です。

美少女に変身した拓海、どうなる!?


それでは今日もお仕事、勉強、頑張りましょう。

明日のご来訪もお待ちしています!!

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