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完結●異世界召喚されたら供物だった件~俺、生き残れる?~  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
【Episode1】死亡フラグ遂行寸前編

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24/547

24:俺の身に何が起きた⁉

「結局、俺の身に何が起きたんですか?」


「それはこっちが知りたいことよ」


スピネルの言う通りだった。


「でもね、まあ、可能性として考えられることはなくもないわ。拓海くんが着ているそのシャツ、キャノスが魔法で作ったものでしょう。魔法で作った服には防御の魔法が込められていることが多いから、それのおかげで助かった……と言いたいところだけど、ブノワが放った魔力はとんでもなく強力だった。ありったけの力を込めたものだったから。それを防げるほどの魔法はそのシャツには込められていない。となると、拓海くん自身が魔術の効かない体質(ノー・ダメージ)ということになるのだけど……」


魔術の効かない体質(ノー・ダメージ)?」


俺はスピネルを見た。


「そう。ごくごく稀にいるらしいのよ。私はもちろん、これまで会ったことないわ。外交も担うロードクロサイト様でも、おそらく会ったことがないと思うわね。それだけ珍しいというのはもちろん、魔術の効かない体質(ノー・ダメージ)は、暗殺者になることが多いのよ。暗殺者になってしまうと表舞台から消えてしまうから、さらにレア度があがるの」


「なんで暗殺者に……?」


「魔術が効かなければ魔法使いだって倒すことができるから、暗殺者の組織の中では重宝がられるみたいよ」


「なるほど……」


「ただ、拓海くんの場合は吸血されれば快楽を感じるから、魔力が効かないわけではなさそうなのよね。だから厳密に言えば、魔術が効きにくい体質、になるかしら」


「ということはつまり、ブノワの魔術は直撃したけど、俺の魔術が効きにくい体質と、この制服のシャツに込められた防御の魔法で、無傷で済んだ、と?」


「そうなるわね。それ以外に考えられないもの。それで結果的に拓海くんは助かったわけだけど……」


怖い目でスピネルが俺を見た。


「ベリル様を庇おうとした時点で、向かってくる何かの正体を拓海くんは掴んでいなかったわよね。それは槍や矢などの武器だったかもしれないし、魔術だったかもしれない。はたまた天災で隕石が落ちてきただけかもしれない。ベリル様を助けようとした気持ちは確かに立派よ。でもそれで死んじゃったら元も子もないでしょう? もう今日みたいな無茶は禁止ね」


確かに、あれが槍や矢だったらと思うと、鳥肌が立った。


「今後は気をつけます……それでブノワはどうなったのですか?」


スピネルは「ああ」という顔になり


「その場ですぐ取り押さえられ、身柄を拘束されたわ。今頃警察で事情聴取されていると思う。さすがにあんな場所で魔術を使ったから、ブルーノ家も完全に非を認め、ロードクロサイト様に土下座していたけど……。恐らく5つの有力ヴァンパイアから外されることは間違いないでしょうね」


そこでドアがノックされた。


「スピネル様、ベリルお嬢様より伝言です」


「入って頂戴」


部屋に入ったアレンは一礼してスピネルに告げた。


「諸々片がついたので、帰館の準備をせよとのことです」


本日更新分を最後までお読みいただき、ありがとうございます!

次回更新タイトルは

『めちゃくちゃ警戒されている』

『拓海に守られているみたい』

『どうして服を脱がすんだ?』です。

それでは今日もお仕事、勉強、頑張りましょう。

明日のご来訪もお待ちしています‼

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