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完結●異世界召喚されたら供物だった件~俺、生き残れる?~  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
【Episode3】俺の貞操大ピンチ編

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46:清楚で清廉な美少女

「こんな場所、初めてきた!」


感嘆の声をあげる俺に、スピネルはクスリと笑って指摘する。


「それはそうよ。ここに来るってことは、大怪我をしているわけだから。知らずに済むのが一番に決まっているわよ、拓海くん」


リマを護衛に、スピネルに連れられ、レッド家の敷地内にある病院に向かって歩いていた。



ベリルの部屋に来ていた四人は、それぞれベリルと俺に用事があった。


カレンは食事の片付け、アレンはロードクロサイトの伝言(「会議を始めるから部屋に来い」)、スピネルはムラトと自死を図った襲撃者の検死結果の報告、ヴァイオレットはベリルの護衛、リマは俺の護衛のために部屋に来ていたのだ。


ベリルはスピネルから検死報告書を受け取ると、さっきの俺の希望を伝えた。


俺の希望――魔力を失った騎士に、俺の血を提供したいと思っている件だ。


スピネルに俺の希望を伝えた上で、現状、病院に収容されている騎士の様子がどうなっているのか、それを視察するよう、ベリルは指示を出した。つまり、俺の血を必要としている騎士がどれぐらいいるのか、それを確認しろというわけだ。


その指示を出すと、ベリルは俺の頬にキスをして「では行ってくる、拓海」と、部屋を出た。


その瞬間。


「あんたさ、ベリル様にキスしてもらっておいて、何ボーっとしているのよ!! 気をつけていってらっしゃいとか、気の利いた一言も言えないわけ!?」


隊服姿のリマは、仁王立ちで俺を睨む。


「まあまあ、リマちゃん、落ち着いて。とりあえず病院にいる騎士の様子を見るように、ってことだから、行ってみましょうか」


カーマイン色のドレスに、いつも通りの白衣を着たスピネルの提案を、もちろん俺は快諾し、病院へ向かうことにした。



病院は、カーネリアンの邸宅からさらに5分ほど歩いた場所にあった。


透明度の高い碧い池があり、周囲を森に囲まれ、隠れるようにひっそりと病院は存在している。


レンガ造りの建物で、レッド家の紋章である炎と不死鳥フェニックスが刺繍された旗が、屋上で揺れている。


建物の中に入ると、スピネルは迷うことなく一階の大部屋に向かった。


十人が収容されているその部屋には、包帯を巻かれた騎士たちがそれぞれのベッドで休んでいる。医師と看護師と思われるヴァンパイアが、順番に騎士の様子を見て回っていたが……。


「あ、お姉さま」


不意に背後から声をかけられ、驚いて振り向くと……。


パッと見たその姿に思い浮かべた言葉。

それは「聖女様」だった。

ストロベリーブロンドの長い髪に、桜色の瞳と唇。

ピンクベージュのベール、同色のエプロン、長袖のムーングレイのワンピース。


修道女にも見えるその少女は、俺がガン見していることに気づくと、恥ずかしそうに視線を落とす。


「フローライト! 丁度いいわ。昨日の襲撃で運ばれてきた騎士の様子を見に来たの。案内してもらっていい?」


「あ、はい。分かりました」


フローライトっていうのか。

なんか、名前と外見のイメージが一致しているな。

清楚で清廉な感じを連想させて。


「じゃあ歩きながら紹介するわね。こちらは……」


「拓海様ですよね。ベリルお嬢様の婚約者の。流石に分かります」


フローライトは俺をチラッと見て、手に持っていたバインダーを、胸の前でぎゅっと抱きしめる。


「まあ、そうよね。じゃあ、彼女は……」


「ベリルお嬢様の三騎士、第三騎士のリマさんですよね。現役『ザイド』の方で、大変腕の立つ方。レイラさんの妹さんですよね」


フローライトに褒められたリマは、少しドヤ顔で笑みを浮かべている。


「……フローライト、あなた勉強熱心ね」


「そ、それは当然です。まさかもう一度レッド家に仕えることができるなんて、思っていませんでしたから。4年間のブランクを取り戻すのに必死です……」


4年間のブランク? それってもしや……。

本日更新分を最後までお読みいただき、ありがとうございます!

次回更新タイトルは

『柔らかふわふわバスト』

『俺の血で助けられるなら』

です。

なんだか気になるタイトルが……。


それでは今日もお仕事、勉強、頑張りましょう。

明日のご来訪もお待ちしています!!

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