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完結●異世界召喚されたら供物だった件~俺、生き残れる?~  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
【Episode3】俺の貞操大ピンチ編

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39:大人しくしておこう

バスタブにお湯を貯めている間、カレンは内々の処理について説明してくれた。


「今回の襲撃者は、元『ザイド』のメンバーでした。そして現在の『ザイド』はレッド家の配下にあります。ですから今回の襲撃は、傍から見れば、お家騒動みたいなものです。いくらレッド家とはいえ、この襲撃をブラッド国に対しての脅威とは主張できないのですよ。


もし、『ザイド』がレッド家の配下になく、この襲撃が起きていれば、それは大問題になったでしょう。それこそブラッド国を、『ザイド』は敵に回すことになる。


でも今回の件は公になれば、『暗殺組織を配下におくからこんなことが起きる』『これはレッド家の不手際では? 筆頭という立場でありながら、配下においた組織のコントロールもできないのか』となってしまいます。


要するに、身から出た錆、飼い犬に手を嚙まれる、というわけです。よって今回の襲撃の後始末は、レッド家だけでつける必要がある、ということです」


カレンの説明を聞いた俺は、正直なところ「なんだそんなことか」と思っていた。


逃げた敵もいたようだが、魔術の効かない体質(ノー・ダメージ)狂殺者きょうさつしゃでさえ倒したのだ。それに襲撃した理由も判明している。女神とかあの方とかよく分からない人物が背後にいるようだが、レッド家が本気を出せば、すぐに見つけ出し捕まえることができる。


そんな風に考えていた。


だから。


「レッド家だったら、自分達だけで、今回の件は解決できるだろう?」


「まあ、そうですね。それがレッド家ですからね。大丈夫だと思いますが……」


そこでカレンはピーコックグリーンのジレ(ベスト)のポケットから懐中時計を取り出し、時間を確認すると、バスルームへ向かった。


「拓海様、お湯がたまりました。入浴してください。入浴されている間に寝間着を用意しておきますから」


「分かった」


俺は返事をすると、早速バスルームへ向かった。


初めて利用するベリルの部屋のバスルームは、俺の部屋よりうんと広かった。しかも、プールに入る前に浴びるシャワーのようなものが、天井に取り付けられている。


試しにそのシャワーの下に行くと……。


天井に設置されたシャワーから、お湯が一斉に噴出された。


……もしかしてこれって、翼を洗うためのもの?


そんな発見をしながら入浴を終え、寝間着に着替えると、バスルームを出た。


部屋には誰もいない。

ベリルも戻ってきていないし、カレンも寝間着を用意した後は出て行ってしまったようだ。


今頃キャノスは修復で大忙しで、スピネルは負傷した騎士の治療に当たっているのだろう。


俺にできることは何かないか考えてみたが……。


魔力を失った精鋭騎士に血を提供するぐらいしか、できることはない。でもそれは俺が勝手にできることでもなく。


カーネリアンの邸宅から、ここに移ってくる者たちを手伝う。これなら俺でもできるのでは?


そうも考えたが。


ベリルは俺に「カレン、ひとまず拓海のことは私の部屋に連れて行ってくれ。私の部屋はキャノスによる防御魔法も展開されている。拓海を入浴させ、休ませてやってほしい」と言っていた。


この部屋を勝手に出て、何か余計なことに足を突っ込んでは、ベリルに心配をかけてしまう。


大人しくしておこう。

昨日に続き来訪いただけた方、ありがとうございます!

この投稿を新たに見つけていただけた方も、ありがとうございます!!

本日もゆるりとお楽しみください。

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