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完結●異世界召喚されたら供物だった件~俺、生き残れる?~  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
【Episode3】俺の貞操大ピンチ編

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27:愛の証であるベッドから抜け出せない

「ベ、ベリル、本当にいいのか」


ワイン色の美しい髪が、純白の枕の上に広がっている。


「ああ、構わない。父上からも許可が出ている」


二重の綺麗なルビー色の瞳が、俺を見上げている。


「で、でも……」


ベリルのむきだしの白い肩や鎖骨が目に入り、俺の心臓はもう破裂寸前だ。


「何を躊躇ためらう? 父上も許可した。そして私も構わぬと言っているのだ。それにここまできて、今さらどうするつもりなのだ、拓海?」


ベリルの白い腕が俺の肩に伸びる。


「いや、でも……」


細い指を俺の髪に絡ませながら、ベリルは小さくため息をつく。


「私とでは嫌なのか?」


その言葉に俺はブンブンと首を振る。


「もう待てない。拓海」


ルビー色の瞳が煌めく。


「早く」


その言葉が合図となった。


俺はゆっくりベッドに体を沈めた。



「はーい、ベリルお嬢様、拓海様、起きてください」


「起きていただけないと、ソースを鼻から流し込みますよ」


聞き捨てならない一言に、目を覚ます。


「おや。ベリルお嬢様が起きませんね」


アレンが陶器に入ったソースを手に、ベリルに向かった。


「ストーップ! ア、アレン、ベリルに何をするつもりだ!?」


「え、起こそうとしているだけですよ」


「俺が起こす!!」


壊れ物を扱うようにベリルの肩を抱き寄せ、優しく声をかける。


「ベリル、起きられるか?」


前髪を持ち上げ、額に優しくキスをした。

その瞬間。

信じられない程の幸せを噛みしめる。

キスって……甘い。


「……拓海」


ルビー色の美しい瞳が開いた。

その瞳は艶やかに煌めき、チェリーレッド色の唇が誘うように俺の名をささやいた。


「ゆっくり休めたか?」


俺が静かに頷くと。


「来て、拓海」


甘えるように名前を呼ばれ、両腕が俺の首に絡まる。

そして。

激痛と快感が全身を貫いた。



鼻に違和感を覚え、飛び起きる。


「おわっと。拓海様、急に起きないでくださいよ」


陶器に入ったソースを手にしたアレンが、後ろに一歩下がった。


「!? アレン、もしかして、それを俺の鼻に!?」


「え、だって起きてください、って言っているのに、拓海様起きないから」


「仕方ないだろう!! ベリルに吸血されて意識飛んでいたのだから!! それにベリルだってまだ……」


俺はそこにいるはずのベリルの姿がないことに気づく。


「え……」


部屋を見渡すと……。

窓に面した日当たりのいい場所に、テーブルと椅子が置かれていた。


そのテーブルには料理が並べられ、ベリルはそこに着席している。さらにカレンに給仕されながら、紅茶をいれてもらっていた。しかも、既にオペラピンクの綺麗なドレスを着て、髪も美しく整えられている。


え、俺、そんなに意識飛んでいたのか!?


「ほら、ベリルお嬢様がお待ちになっていますよ。レッド家の邸宅内で、ベリルお嬢様と一晩を明かし、その愛の証であるベッドから抜け出したくないという気持ちは、よ~~~く分かります。が、もうすぐお昼ですからね。今日もやることは盛り沢山ですから、起きていいただかないと」


「ア、アレン! 言い方!!」


「ほら、早くバスルームへ行ってください。それともベリルお嬢様の前で着替えますか? まあ、もうお互いの体は隅から隅まで確認しあったでしょうから、ここで着替えられても問題ないかと思いますが。ねえ、ベリルお嬢様」


アレンにふられたベリルは……。


「私は構わないぞ。拓海の体は何度見たって、私を喜ばせるからな」


「べ、ベリル!!」


「では脱ぎますか、拓海様」


「!? ア、アレン、ズボンを引っ張るな!!」


ベリルはすました顔で紅茶を口に運び、カレンは俺を見てくすくすと笑い、俺は必死にズボンを押さえ……。


目覚めるなりベリルと双子の召使いに、翻弄されることになった。

本日更新分を最後までお読みいただき、ありがとうございます!

次回更新タイトルは

『素肌とバストの弾力に悩殺された結果』

です。

心拍数が上がりそうな展開が続きます。


それでは今日もお仕事、勉強、頑張りましょう。

明日のご来訪もお待ちしています!!

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