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完結●異世界召喚されたら供物だった件~俺、生き残れる?~  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
【Episode3】俺の貞操大ピンチ編

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25:殺すわよ

「ちょっと、拓海! あんた、いくら留守番だからって……。寝ているとか、あり得ない!!」


部屋にやってきたらしいリマが怒鳴っている。


だがまだ体を巡る魔力の余韻で、声を出すことも、体を動かすこともできずにいた。


「信じられない。起きなさいよ!」


リマの声が近づいてくる。


そして。


ミントグリーンの生地に、白糸で刺繍が施されたガラベーヤを着たリマの姿が見えた。


手には曲刀きょくじんを持ち、弓矢も装備している。


「……!」


俺を見た瞬間、リマが顔を赤くした。

視線を逸らしたリマは……。


「あんた、何て顔をしているのよ! そんな顔、ベリル様だけに見せるものでしょ!!」


……?

俺、今、どんな顔しているのだろう……。


ただただ快楽の余韻で全身が痺れ、頬は赤くなっている気はするが……。


リマが視界から消えた。

俺は目を閉じる。


侵入者はどうなっているのだろう?


カーネリアンの邸宅は、俺達がいる建物から少し離れた場所にある。


厳重なレッド家の警備を突破した敵。

いったい何者なのか。

それにしても……。

いくら危険にさらしたくないからって……。


ベリルは、俺の身に何かあったらと心配してくれた。無理をしてついてこないようにと考えた。だから自身の強化した魔力を、俺に注入したのだと、それは分かっている。


騎士の訓練をしているとはいえ、まだ数カ月しか経っていない。ついて行ったとしても、足手まといになるのは当然だ。


それでも、ベリルには俺の血と魔力が必要だろうと思っていたのに。


こんな形で置いてきぼりにされるとは……。

……俺がヴァンパイアだったら、ベリルは連れて行ってくれたのだろうか?


早く、ヴァンパイアになりたい。

守られるだけではなく、俺もベリルのことを守りたい。大切な人を守りたい。


「バカ拓海、なんであんた、泣いているのよ!!」


唐突に視界に現れたリマが、苛立った顔で俺を見る。


!?


泣いたつもりはない。

でも感情が溢れ、快楽の余韻も相まって、どうやら涙が出ていたようだ。


手を伸ばして頬に触れる。


!? 手が動く!!


ゆっくり起き上がった。


「ちょ、急に起き上がるんじゃないわよ!!」


まだ近くにいたリマは驚き、ベッドから離れる。


「ごめん、ごめん。それで様子はどうだ?」


リマは窓の方に向かい、分厚いカーテンをめくり、外の様子を伺う。


その眼光は鋭く、いつものリマとは全然様子が違う。


「カーネリアン様の邸宅はここから離れている。何度か炎の柱のようなものが見えたから、戦闘が続いているのかもしれない。でも、ここにいる限りは安全かと思うわよ」


眼光も鋭くなったが、話し方も変わっている。

リマの隣に並び、窓の外を見ようとしたのだが。


「うわぁ」


いきなり首に腕を回され、曲刀きょくじんを突き付けられていた。


「ちょ、何よ!! 急に接近しないでよ。殺すわよ」


確かにこれは明らかに殺そうとしている体勢だ。


「!? 俺はただ、窓の外を見ようとしただけで……」


リマが腕をほどき、曲刀きょくじんをしまう。


「私は背後をとられたり、30センチ以内に急に近づかれると、本能的に戦闘モードのスイッチが入っちゃうの!! 気をつけなさいよね、バカ拓海!!」


リマが『ザイド』で暗殺者として活躍していたことを、実感する。


「そ、それは知らなかった。すまなかった」


だが。


「ふんっ」


そっぽを向くリマの耳が赤いのは何故だ……?

気にはなったが、侵入者の方がもっと気になる。

カーテンを掴み、窓の外を見る。


「!!」


窓の外を、つまりは庭で何か巨大なものが動いた。

本日更新分を最後までお読みいただき、ありがとうございます!

次回更新タイトルは

『に、庭に、何かいる!!』

です。

それでは今日もお仕事、勉強、頑張りましょう。

明日のご来訪もお待ちしています!!

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