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完結●異世界召喚されたら供物だった件~俺、生き残れる?~  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
【Episode3】俺の貞操大ピンチ編

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6:拓海のその表情、初々しいな

「いや、ベリルがあの時、ブノワの魔の手に堕ちないでよかったな、って思って」


椅子に座るベリルを後ろから抱きしめる。

全身からベリーのような甘い香りがして、心臓が一気に高鳴った。


「……拓海と出会ったあの日のことか。まあ、あの時はやられに行ったつもりはないが、私の知識不足で危機を招いてしまった。だからこそ、私は拓海で学習を続けている。もうあんなことにはならない」


「!? ベリル、どういうことだ?」


パソコンを終了させると、ベリルが立ち上がった。


「気になるのか、拓海?」


「それはもちろん。ベリルがブノワに大量に血と魔力を吸われた、その事実しか俺は知らない。でも冷静に考えると、ベリルがそう易々ブノワにやられるわけがないよな?」


ベリルはフッと笑うと、突然俺のことを抱き上げる。


「!! ベリル!?」


「拓海と初めて会った時を思い出すな。私の腕の中に現れた拓海は、今みたいに驚いた顔をしていた」


!! 確かにそうだ。


井戸に落ちたと思ったら、突然ベリルに抱きかかえられて……。


「いや、確かに懐かしいけど、その、俺、ベリルにお姫様抱っこされるのは……」


ベリルは「拓海のその表情、なんだか初々しいな」と言いながら俺をベッドに運ぶと、静かにおろした。


「あの日、ブルーノ家で何が起きたか。昔語むかしがたりをしようか」


ベリルは俺の靴を脱がし、寝間着のボタンをはずしながら、静かに語り始めた。



父親であるロードクロサイトから、婚約者はブルーノ家のブノワに決まったと言われた時。


ベリルは「分かりました」とだけ答えていた。


レッド家次期当主になる覚悟を決めてから、結婚相手を選ぶ自由はないと理解していた。


それに婚約者は、5つの有力ヴァンパイアのいずれかになるだろうと思っていた。よってブルーノ家であることも、そしてブノワであると知らされても「ああ、そうなのか」としか思わなかった。


何よりブルーノ家は、レッド家に次ぐ財力と力を持つ一族。そのブルーノ家の次男であるブノワであれば、婚約者として文句のつけようがない。


それにブノワはその家柄、そして美しい容姿から、夜会に姿を見せれば、多くの女性に取り囲まれていた。ゆえにブノワとベリルの婚約が決まったと知れば、羨む声の方が圧倒的に多い。


そんなブノワとの婚約を拒めば、世間はベリルに対し「高飛車な女だ」「お高く止まって」という陰口にもつながりかねない。


そうとは分かっていたのだが。


ベリルはブノワの気にかかる素行を、三度ほど目にしていた。

本日更新分を最後までお読みいただき、ありがとうございます!

次回更新タイトルは

『ブノワの素行~苦痛のキス~』

『ブノワの素行~人目を忍び(1)~』

です。

それでは今日もお仕事、勉強、頑張りましょう。

明日のご来訪もお待ちしています!!

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