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完結●異世界召喚されたら供物だった件~俺、生き残れる?~  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
【Episode2】テルギア魔法国捜索編

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81:婚姻前に愛する女の裸を見るなど言語道断

三日後、ついに忘却の魔法を会得したキャノスは、これまで以上に生き生きとしている。


明日、ターラーの魔女のところへ向かうというキャノスに、俺は尋ねることにした。


「なあ、キャノス、電気を消す前に少し話していいか?」


「私は構わないですよ。でもベリル様が待っているのでは?」


「大丈夫。そんな長話をするつもりはないから」


キャノスは頷き、俺に話すよう促す。


「キャノス、これまで以上にイイ男になった気がする。ゼテクと訓練をして、新しい魔法を覚えたこと、キャノスにとって大きな意味があったのでは?」


キャノスは瞬時に笑顔になる。


「ええ。父を説得し、ここに来て本当に良かったと思っています。父が言っていたことも事実だと分かりました。その一方で、自分の魔法が必要とされ、自分にしかできない魔法があると、知ることができました。ハーフであっても、堂々と魔法使いと名乗っていいのだと、実感できました。今だったらメルクリオに胸倉を掴まれても、毅然とした対応ができると思います」


「そうか、良かったな、キャノス」


「ええ。それもこれも拓海のおかげです。拓海があの日、テルギア魔法国にカーネリアン様を探しに行くと言ってくれなかったら……。心から拓海に感謝しています。ありがとう」


美男子スマイルを見せたキャノスは翌日、無事、ターラーの魔女に忘却の魔法をかけることに成功した。


ちなみにターラーの魔女に忘却の魔法を使う前に、実際に誰かの記憶を消してみる、という話になった。その時、名乗りを上げたのは、カーネリアンだ。泉で水浴びをするバーミリオンの姿を見た記憶を、消してほしいという。しかも、水浴びをするバーミリオンを見た、ということは覚えているが、実際に見た体の記憶だけ消してほしいという、なんとも我がままなお願いだ。


なぜその記憶を消したいのか。

その理由をカーネリアンは……。


「婚姻前に、愛する女性の裸を見るなど言語道断、紳士として相応しくない」


そう言って「紳士たる者は……」と熱弁を披露したのだが。


散々みんなの前で濃厚なキスと熱い抱擁を披露している。今更紳士について語るカーネリアンには、笑うしかない。未来の義兄は、なんだか憎めないヴァンパイアだ。


なお、キャノスはこの難易度高めのカーネリアンの要望に見事に見応え、ピンポイントな記憶の消去を成功させていた。



こうしてテルギア魔法国からカーネリアンが旅立つための準備を進め、そしていよいよ出航の日を迎えた。


目立たないようにと、出航は夜になった。

船が動き出すと、皆、自室へと戻っていく。


俺は一度自分の部屋に戻ったが、すぐにベリルの部屋に向かった。


パウダールームでベリルは寝るための準備をし、俺はベッドで横になる。


キングサイズのベッドは、大の字になってもまだ余裕がある。


ベリルはワイン色の美しい髪をとかすと、ベッドにやってきた。


体をずらし、ベリルが横になるのを待つ。


アンの正体がカーネリアンだと分かったその日の夜以降、ベリルのベッドで毎晩寝るようになっていた。


ただ、魔力を使う機会はほぼなく、二人で仲良くベッドに並んで寝るだけだ。


つまり吸血はなく、ベリルがおでこにキスを一度だけして「おやすみなさい」とお互いに言って寝る。それだけだ。


正直、物足りない。


でもカーネリアンの……アンの痕跡を消すために日々動き回っていたし、疲れていたのは事実。それでなんとか無理矢理寝ていたのだが……。


二週間の船旅では、騎士の訓練をするから、体力的には疲れると思う。


でも、基本的には暇だ。

暇な思春期の男子が考えることと言えば……。

本日更新分を最後までお読みいただき、ありがとうございます!

次回更新タイトルは

『悶々とし始めたところで名前を呼ばれ……』

です。

それでは今日もお仕事、勉強、頑張りましょう。

明日のご来訪もお待ちしています‼

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