表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
完結●異世界召喚されたら供物だった件~俺、生き残れる?~  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
【Episode2】テルギア魔法国捜索編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

179/547

79:実は最強の魔法使い

一方、カーネリアンをさらうのに協力した魔女には、キャノスがとある魔法をかけることになった。


この時の経緯は、実に印象的だ。


魔女への対応を話した時、ゼテクはカーネリアンから聞いた情報から、その魔女の正体をこう明かした。


「カーネリアン様を手伝ったのは、森に住む、通称『ターラーの魔女』で間違いないであろう。向こうは偽名を使っていたようじゃが、おぬしには珍しく素顔をさらした。かねに執着するオレンジ色の髪に金色の瞳の魔女と言ったら、ターラーの魔女しかおらん。……まあ、カーネリアン様、おぬしは大層な男前じゃからのう。ターラーの魔女も、おぬしに自慢の美貌を見せたくなったのかもしれん」


ゼテクはそう言った後に、こうも付け加えている。


「しかし、関わりを持ったのがターラーの魔女で命拾いをしたのう。ターラーとは知っての通り、テルギア魔法国の通貨のことじゃ。ターラーの魔女、それすなわち、金さえ積めば、なんでもする魔女ということ。もしかねより色事を好む魔女じゃったら……カーネリアン様、おぬしは今ごろ、魔女に囚われていたことじゃろうよ」


さすがのカーネリアンも、ゼテクの言葉に青ざめ、隣に座るバーミリオンの手をぎゅっと握っていた。


「師匠、そのターラーの魔女って、何なの? 魔法使いと何が違うの?」


リマが首を傾げて尋ねる。


「ああ、リマは魔女の案件は初めてじゃったな。魔法使いもヴァンパイアも魔力を使い、魔法を、魔術を使う。じゃがのう、魔力と言っても魔法使いが使う魔力の源は聖なる力。対してヴァンパイアが使うのは闇の力。性質が違うのじゃよ。魔女はのう、最初は聖なる力を使う魔法使いであったが、その力を放棄した者なのじゃ。代わりにヴァンパイアと同じように闇の力を使うのじゃが、使えるのは魔術ではなく魔法。それが魔女なのじゃよ」


この話は俺も興味があることだったので、ゼテクに尋ねていた。


「なぜ聖なる力を放棄して、闇の力を手に入れる必要が?」


「厳密には放棄したというより、罪をおかし、聖なる力を使えないようになった、という方が正しいのじゃ。罪というのは、禁忌タブーとされる魔法を使うこと。魔法はいろいろあるが、なんでもかんでも使っていい、というわけではないのじゃ。それで魔女はのう、闇の力で魔法を使うのじゃが……。闇の力から生み出される魔法は、時に聖なる力による魔法よりも、強いことがある。だからあえて罪をおかし、闇の力を手に入れ、魔女になる者もおる」


「それならより強い魔法を使いたい魔法使いは、みんな魔女を目指してしまうのでは……」


俺の指摘にゼテクは首を振る。


「まず魔女という名の通り、禁忌タブーとされる魔法を使い、魔法使いから魔女になるのは女性のみじゃ。男性の魔法使いは、禁忌タブーとされる魔法を使うと、魔力を失い、ただの人間になってしまう。それに魔女になると、子を産めぬ体になり、使えぬ魔法も増える。だから誰もが魔女になりたい、というわけじゃないのじゃ」


「なるほど……」


俺が頷くと、今度はレイラが口を開いた。


「キャノス様はヴァンパイアと魔法使いのハーフですが、この場合はどうなのです?」


レイラは仮面舞踏会から戻ってから、騎士達を「様」づけで呼んでいる。


「私の体に流れる魔力は、闇の力に基づくもの。ですので、その点は魔女と変わらないと思います」


キャノスがゼテクより先に答えた。するとゼテクはこんなことを明かす。


「キャノスが使うのは、闇の力に基づく魔力じゃ。だがのう、使える魔法の制限は、魔法使いと変わらぬ。つまり、ヴァンパイアと魔法使いのハーフ、しかも男性というのは、何気に最強なのじゃよ。しかも、ヴァンパイアと魔法使いのハーフで男性というのが、そもそも誕生しにくいと言われておる。だから本来メルクリオは、キャノスを侮辱するなどできぬはずなのじゃ。魔法で二人が競えば、勝つのはキャノスじゃからのう」


それは皆、知らない情報だったようだ。驚きの顔で、全員がキャノスを見た。

昨日に続き来訪いただけた方、ありがとうございます!

この投稿を新たに見つけていただけた方も、ありがとうございます‼

本日もゆるりとお楽しみください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
●第2回ドリコムメディア大賞●
●一次選考通過作●
バナークリックORタップで目次ページ
断罪終了後に悪役令嬢・ヒロインだったと気づきました!詰んだ後から始まる逆転劇
『【完結】断罪終了後に悪役令嬢・ヒロインだったと気づきました!詰んだ後から始まる逆転劇』もおススメです☆

●これぞ究極のざまぁ!?●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢は死ぬことにした
『悪役令嬢は死ぬことにした』

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ