表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
完結●異世界召喚されたら供物だった件~俺、生き残れる?~  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
【Episode2】テルギア魔法国捜索編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

169/547

69:や、やめて、キャノス

こんなに怒らせたら、アンは何も話さないのではと思ったその時、キャノスの牙がさらに深く首筋に入り込んだ。吸血はしていないが……。


バーミリオンが「あっ……」と小さく声を漏らした。


俺は何度も吸血されているからよく分かる。


血を吸われなくても、牙が深く食い込んだ瞬間、魔力は流れ込んでいるはずだ。


頬が赤く染まり、口は少し開いたままで、バーミリオンの瞳は潤んでいる。


魔力が巡っている。間違いない。


未婚であり、騎士であるバーミリオンは、吸血なんてされたことがないだろう。実際今も吸血はされていないわけだが、魔力を注がれたこともないはず。


初めて巡る魔力の快感にただただ驚き、意識でコントロールするなんて、思いつきさえしていないだろう。


魔力がもたらす快感に震えるバーミリオンを見て、アンの顔色は、青ざめた状態から真っ赤に変わっていく。


ロープで縛られた両手が震えている。


……ものすごく、怒っている……。


その時。


キャノスの左手がゆっくり動き、バーミリオンの左胸をそっと包み込む。


魔力の注入は続いているが、吸血をしていないので、量はそんなに巡っていないはず。


つまり、魔力による快感がゆるく体を巡り、でも五感は正常という状態。


だから胸に触れられた手の感触に、バーミリオンは瞬時に反応することになった。


「や、やめて、キャノス」と声を出したが、体を巡る快感でその声は掠れ、甘い囁きになっている。


「キャノス!」


アンが腹の底から声を出し、キャノスを怒鳴りつける。

同時に、手足を縛っていたロープは、引きちぎられていた。


拳を振り上げたアンが、カウチソファから立ち上がる。その拳はベリルの手で止められ、ゼテクの魔法で体の動き自体も封じられた。


「手足を拘束していたロープは、ただのロープではない。魔法で強化されたものだ。それを魔法も使わずに瞬時に引きちぎる怪力。これは魔法使いの力ではない。アン、もうこれで正体はバレた」


ベリルは静かに告げる。


「本当に身内の恥さらしだ。カーネリアン……兄上、なぜこのようなことをしたのか、話していただこうか」


アンは、変装し、魔法薬で声を変えたカーネリアンだった。

昨日に続き来訪いただけた方、ありがとうございます!

この投稿を新たに見つけていただけた方も、ありがとうございます‼

本日もゆるりとお楽しみください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
●第2回ドリコムメディア大賞●
●一次選考通過作●
バナークリックORタップで目次ページ
断罪終了後に悪役令嬢・ヒロインだったと気づきました!詰んだ後から始まる逆転劇
『【完結】断罪終了後に悪役令嬢・ヒロインだったと気づきました!詰んだ後から始まる逆転劇』もおススメです☆

●これぞ究極のざまぁ!?●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢は死ぬことにした
『悪役令嬢は死ぬことにした』

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ