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完結●異世界召喚されたら供物だった件~俺、生き残れる?~  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
【Episode2】テルギア魔法国捜索編

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68:彼女は人質だ

アンは目を開け、自分が取り囲まれている状態にすぐに気づいた。


「さて。ここには二人の魔法を使える者と、三人の魔術が効かない体質(ノー・ダメージ)がいる。そして魔力が強いヴァンパイアも揃っている。そして彼女は人質だ」


ベリルはそう言うと、バーミリオンの横に立つ。


細い指をバーミリオンの体のラインに沿って走らせると、豊満なバストにも指が触れた。


その瞬間、バーミリオンがビクッと体を震わせ、見ている俺まで心臓が跳ね上がる。


「もし、余計なことをすれば、彼女の血を吸う」


ベリルはキャノスに目配せをする。


キャノスはバーミリオンの耳元で「ごめんよ、バーミリオン」と言うと、背後に回り、バストの下に右腕を回して両腕を押さえ、首筋に顔を近づけた。


いつでも吸血できる体勢だ。


「状況は掴めたと思うので、話をしようか」


ベリルがリマを見た。リマは頷き、アンの口から布をはずす。


アンは無言でベリルを見た。


この場の主導権をゼテクではなく、ベリルが握っている様子に、不思議そうな顔をしている。


「……あなたは誰なんですの?」


「クレメンスの婚約者だ。そういうお前は何者だ、アン? カーネリアンと、どんな関係だ?」


ベリルがアンの目をじっと見て尋ねる。


「答える必要がありまして?」


「大ありだな。カーネリアンのことをどこまで知っているか、洗いざらい話してもらわないと」


「……別にただの知り合いですわ」


「ただの知り合いがヴァンパイアの誘拐を手引きするのか?」


「……」


「話さないなら……」


ベリルがキャノスを見る。

キャノスの牙がバーミリオンの首筋に触れた。

片方の牙から、血が一筋流れ落ちる。


「待ちなさいよ! キャノス、あんた騎士でしょ! 仲間の騎士を吸血するなんて許されないわよ! 騎士としての誇りはないの!」


アンが青ざめて叫んだ。


キャノスは牙を立てた姿勢から動かず、周りのみんなも一言も発さない。


「カーネリアンとはいつどこで知り合った? どこまで彼のことを知っている?」


アンは苛立ち、ベリルの質問を無視した。

そしてバーミリオンの首筋から牙を抜かないキャノスに向け、大声で怒鳴った。


「キャノス、バーミリオンから牙を抜け!」


命令口調のアンに反抗するかのように、キャノスのもう一本の牙から、血の筋が流れ落ちる。


アンの瞳が怒りで大きく見開かれた。


「質問に答えぬのか?」


「うるさい!」


アンがベリルを一喝した。

本日更新分を最後までお読みいただき、ありがとうございます!

次回更新タイトルは

『や、やめて、キャノス』

『真相』

です。

それでは今日もお仕事、勉強、頑張りましょう。

明日のご来訪もお待ちしています‼

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