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完結●異世界召喚されたら供物だった件~俺、生き残れる?~  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
【Episode2】テルギア魔法国捜索編

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66:ベリルが掴んだ手を、自身の胸へと誘う

気づくと、テラスにおかれたテーブルに突っ伏していたが、差し込む日差しで目が覚めた。


霜の巨人(ヨトゥン)の彫刻は消え、その代わり青空と太陽が明るく輝き、そして不思議な景色が広がっていた。


水でできたドラゴンが空を舞っている。


動く度に水滴が飛び散り、太陽の日差しを受けキラキラと輝いていた。


その度に地上では歓声が起きている。


クレメンス達が作り出した、水のドラゴンだった。


「拓海、目覚めたか?」


手すりからドラゴンを眺めていたベリルが、俺の方を振り返った。


「太陽の日差しで目覚めたよ」


ゆっくり椅子から立ち上がる。

服はちゃんと着ている。

ベリルが着せてくれていた。


「もし暗い部屋だったら、朝までぐっすりだったな」


ベリルが微笑む。輝くような笑顔。


「そうかもしれない。……ベリルはもう、十分回復できた?」


「拓海のおかげで元気いっぱいだ」


その言葉に一安心し、自然と俺も笑顔になる。


と同時に。


あの時。


ペールブルーのドレスに包まれた、豊かなベリルのバストに、いざなわれたことを思い出す。確かに顔はそこに沈んだのに、その感触を感知することができなかった。せっかくのチャンスだったのに、快楽の海に沈んでしまった……。


もっと鍛錬しなければ。


吸血と同時に魔力が引き起こす快感をコントロールし、触感からの刺激を検知できるようにする。そうすれば快感を覚えながらも、あの胸の感触も検知できるはず。


「拓海、何を考えている?」


「! い、いや、その」


真剣な顔をしながら、でも頭の中では……。


ベリルの胸のことや快感のコントロールなど、エロいことを考えていた。


バレてはいないと思うが、ベリルは鋭い。


だから「何を考えている」と尋ねられ、思いっきり動揺してしまう。


「連続の吸血だったのに、さっきはよく手を動かせたな」


何を考えていたのか、察知したのかしていないのか、ともかく突然ベリルは手を掴んだ。


そして。


あの時みたいに、ケープを左手で払った。


視線は迷わず向かってしまう。


ペールブルーのドレスに包まれた、綺麗な曲線を描くバストに。


「八回の吸血でも手を動かせたなら……。ここに手を触れながら、落ちることも……できるようになるかもしれないな?」


ベリルが掴んだ手を、自身の胸へといざなう。


「……‼」


ツンと上向きの形のいいバストに、手が触れそうになったまさにその瞬間。


「思春期の男子を甘くみない方がいい――拓海は確か、そう言っていたな」


……‼

言った、言っていたよ、俺……。


「触れてしまえば、頭の中でいろいろ妄想したことを全部してしまう自信がある――とも拓海は言っていたな」


言っていた。実際、今だって触れてしまえば……。


でも、でも。

あと数ミリで触れられそうなのに……!


この時の俺は、どんな表情をしていたのだろう。


ともかくベリルは俺の顔を見ると、満足そうな表情を浮かべた。


「そろそろ謎解きの再開だ」


俺の手は、ベリルの手で強制的にバストから遠ざけられてしまう。


ヴァンパイアの力は……怪力だ。


だが。


遠ざけた手をそのままつなぐと、ベリルは優しく額にキスをした。


例え胸に触れることができなくても。

こうやってベリルにキスをされれば……。

惚れた弱み。

心臓を高鳴らせ、幸福な気持ちで満たされてしまう。


「行くぞ、拓海」


ベリルは俺の手をひいて、部屋に戻った。

本日更新分を最後までお読みいただき、ありがとうございます!

次回更新タイトルは

『バーミリオンの気持ち』

『彼女は人質だ』

です。

それでは今日もお仕事、勉強、頑張りましょう。

明日のご来訪もお待ちしています‼

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