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完結●異世界召喚されたら供物だった件~俺、生き残れる?~  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
【Episode2】テルギア魔法国捜索編

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59:初めての口づけ

目覚めたバーミリオンは、まずキャノスの顔を見て驚き、そしてすぐ俺達に気づき、嬉し涙をこぼした。


カーネリアンの居場所は分からないとバーミリオンが答えると、ベリルは「そうか。では昨晩何があったか教えて欲しい」と応じた。


「カーネリアンを探さなくていいのか」と、クレメンスとゼテクがベリルに尋ねる。


するとベリルは「バーミリオンの話を聞いてからでも遅くない」とだけ答え、バーミリオンに昨晩何があったか、話すよう促した。


バーミリオンは静かに、昨晩の出来事を語りだした。



仮面舞踏会の会場となったホールの二階で。


「……君の方こそ、愛の力で僕を見つけてくれたのでは?」


この声を聞いた時。


バーミリオンは心臓が飛び出すのではと思うほど、驚いていた。


耳に心地よく響くその懐かしい声。


それはかつて自分が生涯仕えると誓ったのに、姿を消してしまったあるじのものだった。


まさか、という気持ちで声の方を見て、もう息を飲むしかない。


見慣れたワイン色の髪。

ゴールドにシルバーの縞模様のアイマスクからのぞく、赤黒い瞳。

その瞳は、ロードクロサイトにそっくりだ。


白のタキシードを優雅に着こなしたこの長身の男性は……。


カーネリアンで間違いない。


カーネリアンを見つけた!という気持ちと同時に、バーミリオンは動揺する。


こんなドレス姿、カーネリアンに見せたことがない。


その一方で、こうも考える。


騎士としてカーネリアンに仕えていた時、髪は今よりも短く、前髪もオールバックにしていた。


だから。


ボクが誰であるか気づかれていないはず。

ベリル様もボクとバレないようにするため、思いっきり女性らしくしたのだから。


そう考え、動揺を沈めた。


だが、目があったカーネリアンは……。

懐かしむような瞳で自分を見ている。

バレている……?


次の瞬間。


バーミリオンの体は、カーネリアンの腕の中に抱き寄せられていた。


そんなことをされると思っていなかった。


でもバーミリオンは、騎士。

すぐにそこから逃れようと腕を動かす。


しかし思いがけない強さで手首を掴まれ、あっという間に唇を奪われてしまう。


抱き寄せられただけでも予想外。

キスをされるなんて想定外どころではない。


いくら訓練をしていたバーミリオンでも、咄嗟に反応することはできなかった。


しかもこれはバーミリオンにとって、初めての口づけ。


柔らかく潤いのあるカーネリアンの唇が押し当てられ、さらに強引に舌が割って入ってくる。驚き、でも心臓は信じられないぐらい高鳴っている。


舌が侵入すると同時に、口内に甘い味と香りが広がり、バーミリオンは酔ってしまいそうだった。


キスと言うのは味がするものなのか……?


初めての口づけに陶酔しそうになるが、残された理性がバーミリオンに呼びかける。


忠誠を誓ったあるじと、お前は何をしているのか? と。


我に返ったバーミリオンは、今度こそ、その胸の中から逃れようとする。


するとカーネリアンは、バーミリオンの耳元で信じられない言葉をささやく。


「僕の愛する人よ、静かにお眠り」


何かを考える余裕も、それ以上動くこともできない。


一瞬で意識を失った。

本日更新分を最後までお読みいただき、ありがとうございます!

次回更新タイトルは

『ずっとあなたとキスしたかった』

です。

次回、さらわれたバーミリオンに起きた出来事が明らかに!

それでは明日のご来訪もお待ちしています‼

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