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完結●異世界召喚されたら供物だった件~俺、生き残れる?~  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
【Episode2】テルギア魔法国捜索編

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34:デレツン

洗面所へ向かうベリルの後を、慌てて追いかける。


ワインクーラーにベリルが水を注ぐ間、花束についたリボンをほどく。


「……ベリル、一人でワインを一本飲んだのか?」


花束のラッピングを解きながら、ベリルに尋ねる。


「家だといつも食後に、みんなで飲んでいるだろう」


ベリルが花束を受け取る。


「まあ、そうだけど」


花束はワインクーラーに、うまいこと収まっている。


「それに昨晩はなかなか寝付けなくてな」


ベリルが手を洗いながら呟いた。


「……何か心配事でも?」


ベリルが瞳を細める。


「分からないのか、拓海?」


「……カーネリアンが見つかるどうか、不安だったのか?」


突然ベリルが抱きついた。


「お前がいなかったからだ」


……!


そう言われてみると、船旅をしていた2週間、ずっとベリルのベッドで夜を過ごしていた。船で俺の部屋は一人部屋だったし、気兼ねなく部屋を空けることができた。でもこの宿はキャノスと同室だったし、なんとなく用がなければベリルの部屋に行くのは……という気持ちになっていた。


もしベリルの部屋で夜を明かしても、キャノスは絶対それを非難することも、誰かに告げることもないと分かっている。でもなんとなく遠慮していたのだ。


だから昨晩ベリルは久々に、一人ベッドで休むことになった。


それを寂しく感じていたのか……。


「寂しい思いを……」


ベリルはすっと体を離すと、花束の入ったワインクーラーを手に、洗面所から出て行ってしまう。


「……」


甘えようとすると、いつも途端にノーマルモードに、ベリルは変わってしまう気がする。


ツンデレならぬ、デレツン。


いちいち船旅のことを思い出したりせず、すぐに俺も抱きしめればよかった……。


そんなことを思いながら部屋に戻ると、ベリルはワインクーラーをテーブルに置き、満足そうな顔をしている。


「……ベリル、初歩的なことを聞いてもいいか?」


「なんだ?」


ベリルが振り返る。


「魔法使いもヴァンパイアも魔力があるんだろう? ベリルの魔力で花瓶を出すことはできないのか?」


「確かに魔力を持つという点では同じだが、魔法使いが使うのは魔法で、ヴァンパイアが使うのは魔術だ。魔力という言い方をするが、それぞれが使う魔力は別物。魔法使いは無から物を作りだせるが、ヴァンパイアではそれができない。だからもし花瓶を必要とするなら……召喚しないとならないな」


そう答えるとベリルは俺の手をとり、ベッドの方へゆっくり歩き出す。


バスローブをベリルが着ているからか、なんだかエッチな想像をしてしまう。


「召喚にも魔力を使うからな。今の私は魔力を使うより、補充をしたい」


ベリルは俺をベッドに座らせた。


「分かっているよ、ベリル」


着ていた寝間着のボタンをはずす。


するとベリルはもどかしそうに肘のあたりまで上衣を脱がし……。


ベッドに押し倒しながら、首筋に牙を立てた。

本日更新分を最後までお読みいただき、ありがとうございます!

次回更新タイトルは

『キスって、するのもされるのも気持ちいい』

です。

それでは今日もお仕事、勉強、頑張りましょう。

明日のご来訪もお待ちしています‼

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