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完結●異世界召喚されたら供物だった件~俺、生き残れる?~  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
【Episode2】テルギア魔法国捜索編

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17:拓海、ベッドに来て

キャノスに言われるまま、ベリルがいる6階へ向かう。


エレベーターの扉が開くと……。


天井から桜の花びらがはらり、はらりと舞い落ちている。


6階は「春のフロア」か。

廊下は、桜の花びらの絨毯だ。


花びらを踏みしめながら進み、ベリルの部屋の扉をノックする。


「拓海、入っていいぞ」


ベリルの大声が聞こえ、ゆっくり扉を開けた。


俺の部屋とは違い、扉を開けると、そこは多角形の形をしたホールになっている。


壁には黄色のミモザの花が描かれており、風の動きにあわせたかのように、ゆらゆらと揺れていた。


ホールを抜け、部屋にはいると、広々とした室内には縦長の窓がいくつもあり、明るい日差しが降り注いでいる。港で見えていた白亜の塔も見えていた。そして壁には色とりどりのチューリップ。ひらひらと沢山の蝶も舞っている。


「……拓海、いいタイミングだ」


ベリルは左奥のベッドに仰向けになり、その長い黒髪は床に届きそうだった。


「服を脱いで、拓海」


「!」


今朝、吸血したのに?

この部屋で、魔力を使うようなことをしていたのだろうか?


歩きながらネクタイを外し、手早くシャツのボタンをはずす。そして窓のそばのカウチに服を置き、ベリルを見ると。


「拓海、ベッドに来て」


ダークブラウンの瞳を細め、ベリルが両腕を伸ばし、俺をいざなう。


なんか……。

いつもと違う姿のベリルに、必要以上にドキドキしてしまう。


しかも「ベッドに来て」なんて甘やかにささやかれると……。


これからするのは吸血なのだと分かっていても、頬は自然と上気してくる。


ゆっくりベッドに乗ると、寝たままでも吸血できるように、首をベリルの口元へ近づけた。


この体勢は苦しいが、ベリルのバストが体に触れるから、なんとか頑張れる。


……!

ああ、この感触……。


触れたバストがもたらす、ふわっとした心躍るこの心地良さ。


「拓海」


ベリルの温かい息を感じると同時に、激痛と快感が、首から全身へと広がっていく。


激痛を紛らわすため、意識を緩め、快感を隅々まで行き渡らせる。


痛みは瞬時に消え、気持ちのよさだけが体に残った。


ベリルの弾力のあるバストに、俺の胸板が密着していたのは、一瞬のこと。


今は既にベッドに仰向けにされている。


「なあ、ベリル、何に魔力を使ったの?」


快感を抑えて尋ねる。


「兄上の声を追跡トラッキングした」


……!


「今朝、吸血していたから、いつもより少ない魔力で追跡トラッキングできたが、テルギア魔法国は……広いな」


ベリルは上半身を起こすと、慈しむように首筋を撫でた。


細い指に触れられただけで、心臓が反応し、意識のコントロールが危うくなる。


ぐっと意識を引き締め、ベリルに質問する。


「ということは、すべてをカバーできなかったのか?」


「そうだな……」


ベリルは鎖骨の辺りに、唇を近づけていた。

キスを落とされるのかと思ったが、何もしない。

ただ温かい息が、肌に触れているだけなのだが……。


キスへの期待がたかぶり、快感を抑え込む力が、思わず緩みそうになる。


「……カーネリアンの声も検知できなかった?」


「うん」


「!」


二度目の吸血で、一気に強い快感が流れ込んできた。

本日更新分を最後までお読みいただき、ありがとうございます!

次回更新タイトルは

『真剣な話、時々甘美な刺激』

『驚いたのは俺だけではない』

です。

それでは今日もお仕事、勉強、頑張りましょう。

明日のご来訪もお待ちしています‼

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