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第1章 ♯1 強いスキルもわからなければ意味がない。

私の2作品目です!

この世界には〈スキル〉という物がある。

生まれた時に神から与えられる物だ。

誰しもが持っていて、10歳の時に協会で洗礼を受けると、そのスキルが開花する。


そのスキルに合わせて、人々は〈ジョブ〉を決める。

所謂、職業ってやつだ。


僕の里では昔、悪魔を封印した勇者の仲間が住んでいたこともあって、戦闘向けのスキルを持っている人が多い。

僕の両親も〈剣豪〉のスキルを持った父と〈3属性魔法〉のスキルを持つ母といった冒険者夫婦だ。

兄はその血を濃く受け継いだのだろう。

〈魔法剣術〉という剣に魔法を纏わせ戦う魔法剣士というジョブを持っている。

スキルが開花してからは両親から鍛えられ、18歳になると王都の傭兵として活躍している。


そして、今日はこの年に10歳になる子供が集められ洗礼を行う日だ。


「なあ、ハル。

俺達どんなスキルが貰えるんだろうな?」

僕に話しかけてきたのは親友のライザ。

家も近く、小さい頃からの幼馴染でもある。

「なんだろうね?

ライザは何がいい?」

「俺は戦闘系なら何でも嬉しいな!

大人になったら父ちゃんや母ちゃんみたいな冒険者になりたいからな!

ハルは何がいい?」

「僕も戦闘系がいいなあ。

職にも困らないしね。」

「ハルの場合は兄ちゃんが王都の兵士になるくらいだからな。

きっと良いものがもらえるんじゃね?」

「だと良いけどねぇ。

昨日も両親から凄い期待されちゃってね。

これで戦闘系じゃなければ、泣かれるんじゃないかな・・・。」

「ハルは大丈夫だろ?

なんせ、先祖は勇者のパーティーに居たくらいだからな。」

ライザの言うとおり、僕の先祖は勇者のパーティーで勇者と一緒に魔王を封印したほどの人である。

母方の親族にあたり、聞くところによると女賢者だったらしい。

せめて僕もその血を引いてるなら魔法が使えるようになれたら良いな。


洗礼の前に協会の偉い人から長ったらしい話があった。

10歳の子供達には難しい話で全く理解が出来なかった。

ライザは途中でっかい欠伸をしてたくらいだ。


やっと話が終わった。

1時間は辛すぎる。

ライザはこの日、立ったまま寝るスキル(?)を手に入れた。


洗礼の時間になり、子供達は一列に並ぶ。

僕はライザの後ろだ。

ライザの前の子が呼ばれる。

「さあ、こちらの水晶に手を当てなさい。

そして、神に祈るのです。

さすれば、貴女のスキルが開花するでしょう。」

その女のコは恐る恐る水晶に手を当てる。

少し経つと水晶が光り、文字が浮かぶ。


《回復魔法スキル Activity start》


「貴女のスキルは回復魔法ですね。

大人になったら教会に来なさい。

きっと貴女のスキルが役立つでしょう。」

「本当ですか!?

有難うございます!!」

女のコは嬉しそうに帰っていった。


そして、ライザの番。

「到頭、俺の番か・・・!

よおし!!」

ライザが水晶に触り、祈り始める。

少し経つと水晶が光り、文字が浮かび上がる!


《聖魔法スキル 剣術スキル Activity start》

「こ、これはなんとも珍しい!

聖魔法とは!

おまけに剣術まである!

将来は聖騎士を目指すといいでしょう!」

「す、すげぇ・・・!

ハル!

やったぞ!!聖騎士だってよ!!

とんでもねえジョブじゃねえか!!」

「やったね、ライザ!

ライザのご両親も喜ぶよ!!」

「ああ!!

ありがとな、ハル!!

さあ、お前の番だ!

触ってみろよ!!」

「うん!」

「では、次の者、水晶に触って祈るのです。」

「わかりました!」

俺はドキドキしながら水晶に触れ、祈りを捧げる・・・。


すると水晶が激しく光りだし、やがて文字が浮かぶ。


《吸収スキル Activity start》

「は?」 「は??」

「え?」 「え??」

「な、何ですか!?このスキルは・・・!?

今まで洗礼の儀をして何年。

こんなスキルは初めて見ました!!」

「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!

このスキルはどういう効果があるんですか!?」

「わかりません。」

「え?」

「先程も申し上げた通り、初めてみるスキルです。

レアスキルなのでしょうが、どのようなスキルなのかは全くわかりません。」

えぇぇぇぇぇ、勘弁してよ。

これじゃあ、何のジョブになったらいいか分からないじゃないか!

「ハル・・・レアスキルだってよ!!

良かったじゃねえか!!」

「良くないよ!

こんな謎スキル、どのジョブに付いていいか分からないじゃないか!」

「た、確かにそうか・・・。」


謎のスキル、吸収を開花させた僕はライザと一緒に家に帰った。

父さんと母さんはこのスキルを知ったら何て言うだろう。

謎のスキルだから怒られたりしないかな・・・。

凄い不安を抱えながら、家に辿り着く。

「じゃあな、ハル!

確かに謎のスキルだが、俺はお前のスキルが凄いって信じてるぞ!」

「あ、有難う・・・。」

「明日、図書館に行って一緒に調べて見ないか?」

「うん!

有難う!ライザ!!」

「何言ってんだ!

親友だろ?俺達!」

「そうだね!

じゃあ、また明日ね!!」

「おう!!」


二人はそれぞれの家に帰った。


「おう!おかえり!

ハルバート!

どうだった?

どんなスキルだった?

やっぱり剣術か?」

父さんが食い気味に聞いてくる。

「ほら、レイヴ!

そんなに食い気味に言ったらハルだって言いにくいでしょう?」

「だって早く知りたいじゃねえか!

兄のルークだって俺とルイのスキルを受け継いで、今じゃ魔法剣士だぞ?

きっとハルバートもすげえスキルに決まってんじゃねえか!!」

「そんな、ルークは偶々よ!

ハル。私は貴方がどんなスキルでも構わないわ。

正直に言ってみなさい?」

「う、うん。

怒らないでね?」

「勿論よ。

貴方のスキルは何だったの?」

「吸収・・・。」

『は?』

「吸収って言う謎のスキルだった・・・。」

「吸収・・・?

何だそれは?

初めて聞くスキルだな。」

「私もよ。

もしかしたら凄いレアスキルなんじゃないのかしら!?」

「確かに聞いたことないもんな!!

凄えぞ!ハルバート!!

レアスキルだったとは!

流石、俺とルイの子供だ!!」

「でも、どんなことが出来るか分からないんだ・・・。

教会の人も初めて聞くスキルだって言ってたから・・・。」

「そんなのゆっくり調べればいいのよ。

図書館の古い本とかに載ってるかもしれないわ。」

「明日ライザと一緒に調べて見るんだ。」

「そういえば、ライザの奴は何だったんだ?」

「ライザは聖魔法と剣術だよ。」

「何ぃぃぃぃぃぃ!!

とんでもねえスキル手に入れやがったな!!

聖魔法もレアスキルだぞ!?」

「将来は聖騎士になるといいって!

いいなあ。ライザは。」

「貴方のスキルだって凄いスキルかもしれないわよ?

他人を羨んじゃ駄目よ?

貴方はこの世に一つしかないスキルかもしれないわよ?」

「でも、使い方分からないんじゃ素直に喜べないよ・・・。」

「貴方はまだ10歳よ?

まだまだ時間はあるわ。

ゆっくり探しましょう?」

「・・・分かった・・・。」


僕は夕飯を食べ、部屋に戻る。


部屋に戻ると、妹のアリスがひょこっと顔を出す。

僕の超絶カワイイ妹だ!

因みに年齢はまだ6歳だ。

「にぃに、今日はどうだった?

素敵なスキル貰えた?」

「うーん、素敵なのかなあ・・・。

謎すぎるスキルだったよ。」

「なぞスキル??」

首を傾げるアリスがこれまた可愛すぎる。

「吸収ってスキルだったんだ。

誰に聞いても分からないって言うんだ。

だから謎スキルだよ。」

「なるほど、なるほど!!

それはなぞスキルだね!!

吸収って言うから何か吸い取れるのかな?」

「きっとそんなんだろうけどねぇ・・・。

明日図書館言って調べて見るよ!」

「何か分かったら教えてね?」

「うん、教えてあげるよ。」

「今日はにぃにと寝ようかな!」

「いいよ。おいで。」

「わぁい!

にぃに大好きぃ!!」

なんて可愛すぎる妹なんだ!!

こんなカワイイ妹を持って幸せだな!!


僕はアリスと眠りにつく・・・。


次の日、ライザと一緒に図書館に行く。

スキルの本中心に調べるが、全く見つからない。

「何で全然見つからないんだ?

あらゆるスキルの本を見たのにな!」

「今までに無いスキルなのかな・・・?」 

「そうか!だから載って無いのか!

頭いいな、ハル!」 

「でも、これで益々どんなスキルか分からなくなったよ。」

「そうだよな・・・。」

「あ、ライザ。

こんな本あったよ。

聖魔法の全てって本だよ。

これで勉強したらどうかな?」

「おお!!

正に俺の為の本じゃねえか!

ありがとな!ハル!!

でも、お前のスキル探しに来たのに、俺ばっかりいいのか・・・?」

「気にしないでよ!

僕のスキルのこと、確かに知りたいけどライザのスキルの方も大切だろ?

ライザが立派な聖騎士になれる様、僕も応援したいんだ。」

「お前・・・!

ホント良いやつだな!!

分かった!!

俺は立派な聖騎士になってお前を守るよ!!」

「有難う!

僕もこの謎スキルの正体を突き止めて、ライザの役に立てるように頑張るよ!」

「約束だぞ!!」

「うん。約束だね!!」


結局、スキルについては何もわからなかった。

1つ分かったことは吸収という言葉の意味。


1つ目。 吸い取ること。蚊みたいに血でも吸い取れるのかな?


2つ目。 外から内に取り入れて自分のものにすること。

これが1番それっぽい気がするな。

でも、どうやって吸収するんだろう?


3つ目。 音や光・粒子線などが物質を通過するとき、そのエネルギーや粒子が物質中に取り込まれて失われること。また、気体が液体や固体の内部に取り込まれること。

何言ってるのか全く分からない。


4つ目。 生物体が生体膜を通して物質を内部に取り入れること。特に、栄養素を消化管壁の細胞膜を通して血管・リンパ管中に取り入れることをいい、主に小腸で行われる。植物では根から水分などを吸い入れることをいう。

食事で栄養を取ると言うことかな?

これは誰でも出来るよね?


やっぱり2つ目なのかな?

てゆーか、何でこんなに鮮明に覚えてるんだろ?

3つ目なんて何言ってるか分からないのに、書いてあったことは何故か覚えてる。

あれ?僕そんな頭良かったっけ?


仮に2つ目だとして、何を吸収して自分の物にするんだろう?

命を吸い取るとかは嫌だな。

人殺しなんて僕には到底出来ないよ。


あと、1つこの謎スキルが分かるかもしれない事が書いてあった。


鑑定スキルだ。

鑑定スキルはとてもレアなのだけど、そのスキルを持っている人に鑑定してもらえば、この謎スキルの正体が分かるかもしれない!

これが1番の近道かもしれないね。


自分で使い方を探しながら、鑑定スキルを持った人を探そう。


こうして、何も分からないまま5年の月日が流れた・・・。


初めまして!

はじめと申します


遂に2作目に手を出してしまいました。

どうぞ、最後までお付き合いくださいませ!


評価やブックマーク登録もしていただけると今後の励みになります。

どうぞ宜しくお願いします!

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