3人のモブ③
「んんっ…
それより、次はお前の番だろう」
「あっ、そうですね。
さあバンバン吐き出しちゃって下さい!」
「ん〜…そうだねぇ…
君達のと比べると小さい事だが、構わないかい?」
「勿論。
其のための会ですから!」
「じゃ、遠慮無く。
あれは、死霊術師あるあると言えばそうなんだけど…」
回想中…
「お前、この子に何をした!?」
「違うのよ、私からぶつかっただけだから…」
「じゃあ何でそんな震えて…」
「分からないの。
何だか触れた時に嫌な気配がして…」
「嫌な気配を…ふぅん…成程な。
行こう、もう戻った方が良い」
「うん…そうする」
「この子は俺の大切な友達です。
何かあれば俺が相手になります。
その事をお忘れなきよう」
回想終了
「何が成程な、だよ。
ぶつかった謝罪も無しに被害者面かい」
「な、なんとも言えぬ腹立たしさ…」
「だろう?
ありもしない陰謀を邪推してさぁ…
英雄っぽい格好をしたいなら、せめてもう少し知識をつけてからの方が良いと思うんだ」
「一応聖女だからな…
お前の属性と無意識に反発し合った、という事か」
「其の通り。
まあ死霊術士が拒否反応起こされるのなんて、あるあるだけど…
それにしたって、ちょっとぶつかっただけであんなによろめくなんて。
仮にも聖女を名乗る者が、一般の術士に耐性負けするかい?」
「ありゃりゃ…
慣れとは言え、私でも問題無いのに」
「まあ…なんだ…
当分、戦力には数えられそうにないな」
「てか本当に必要なのかい…彼奴等の力。
現状、国の戦力は足りてるじゃないか。
騎士の練度は高いみたいだし、冒険者連中も数居るだろう?」
「予言書の通りだと、そう遠くない内に魔神が現れるらしいが…」
「彼奴等に頼るようになったら、それこそこの国は滅びるね」
「其の時はバロさんにおぶって貰って世界の果てまで逃げます」
「んふふ…じゃあ僕は肩車を予約しよう」
「…冗談に聞こえない現実が恐ろしいな」