母とティータイム
「お茶会ですか?」
「ええ、貴方もお友達が欲しいでしょう?」
我が家でお茶会を開くそうです。
分家、近場の親戚を招く内輪のもののようですが、 そこで友達を作れと・・・・・・何やら心配されてるようだ。
《私》になる前のクレールは少し神経質な子供だったらしい。
身体が弱かったというか、よく頭痛や幻聴を訴えてたとか。
何等かの精神疾患等も疑われていたようだ。
頭痛は知りませんが、幻聴には心当たりがあります。《ギフト》です。
実はこの世界で目覚めた日からヒソヒソ聞こえています。
周囲の人間の表層思考です。
私は日本人だった頃、ギフトなんてない感覚を知っているからでしょうか?
あっさりコントロール出来るようになりましたが、もしコントロール出来なかったとしたら……辛かったでしょう。
不気味な上にうるさいのです。
何にせよ両親は娘が元気になったことにとまどいつつも喜び安心していた。
けれども、ちょっと元気過ぎる、何だか個性的。
母の中で私は病んだ子から変人にジョブチェンジしつつあり、以前とはまた違った心配をしているようだ。
(心外です! 鳥を愛でたがっただけではありませんか!!)
紅茶を飲みながら、母をじっと見る。 リュミエール ヴィルゴ 黒髪緑目の楚々とした美貌の公爵婦人。
父アルバートと兄トリスタンと並ぶ姿は実に絵になり、完璧なものに思える。
私はどうだろう?
・・・・・・何やら居心地悪さを感じます。
(変な娘でごめんなさい)
「クレール?どうしました?」
(おっと、いけない)
「すみません。考え事をしてました」
「あら、何を考えていたのです?」
(え~と~…そうだ!ここは知識チートで親孝行しましょう!!)
「お母様に似合いそうなドレスですわ」
この世界の流行はAラインドレスやプリンセスライン、ベルラインドレスのようだ。
ローウエスト、マーメイド、スレンダー等を絵に書き提案してみる。
母は興味深そうに聞いてくれ、母にはマーメイドドレスを、私にはローウエストのAラインドレスを揃いのデサインで仕立てることになった。
調子に乗ってお茶会用にいくつかお菓子も提案してみた。