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カラスとの戦い

(う~ん・・・・・・困りました)


目の前に広がるいつもの雑木林から私を待ち受けるいくつもの気配を感じる。

私が食べ物をおいて立ち去るのを待っているようだ。


父に叱られたので、餌付けはもう止めなくてはなりません。

ですが野生動物を餌付けしたあげく放り出すのも抵抗を感じます。


厨房からくすねてきた残飯(まともな食べ物は貰えなかった)を目の前に広げる。


「貴方達に施すのも今日が最後です。私の配下に入る最後のチャンスを与えましょう」


カラス達にアホな言葉をかけつつそのまま残飯の前に座り込み読書に耽る。


なんだか匂いが気になりますが気にしたら負けです。

誰に負けるのかって?カラスにです。


・・・おおよそ30分ほどその場で粘っていると

焦れた一羽のカラスが近づいてきた。

濡れ羽色の艶やかな毛並みが美しい。


観賞したい気持ちを抑え、目線を反らし無関心を装うと、とうとう残飯に食い付きます!

かかりました!!


ここまで近づけばもう手遅れです。

即座にギフトで乗っ取りにかかります。

虫の時にはなかった抵抗を感じますが強引に奪います。


首尾よくカラスになれました。

口内に生臭さを感じる気がしますが気のせいでしょう。

気にしたら負けです。 誰に負けるのかって?もちろんカラスにです!


ではカラス達と意思疏通を試みます。

何かの役に立つかも、なんとか手なずけたいものです。


少し身体を動かし練習したのち、翼をはためかせ、仲間のカラスのもとへいきます。


カァァ カァァ カァァ


・・・・・・何か警戒されてます。


「カァ~(貴方達の仲間ですよ~)」


カァァ!カァァ!カァァ!


むむ・・・・・・賢いですね。何か違うとばれてるようです。さてどうしましょう。


ガァッ!!ガァッ!!ガァッ!!


怒声のような濁った鳴き声をあげたかと思うと、カラス達が一斉に飛び立った。


一羽のカラスが上後方から迫るのを、紙一重でかわすが逃げた先で更なる脚に襲われる。首を踏みつけられ背中や羽に噛みつかれる。


(うぅ・・・痛い・・・)


痛みと死の恐怖を感じる。二羽のカラスのマウントから我武者羅に転げ回り脱出する。


(…マズイです。早く自分の身体に戻りましょう)


逃げ回りながら身体のある方を見ると、他のカラス達が私の持って来た残飯を食べている。

しかも横たわる私の身体に乗りつついてるものもいる。


なんだか急激に怒りが込み上げてきます。

ヒドイです!いつも食べ物貢いであげたじゃありませんか!!


「ガァッ!!(私が何をしたというのです!!)」


怒りのままに吠えるとカラス達の動きが一瞬鈍る。

その隙を逃さず全力で体当たりし嘴で深く噛みつく。

そして今の身体を放棄し、もう一羽の身体を乗っ取ると、私の身体をつついてるカラスを羽ばたきながら蹴り飛ばす。


そのまま自分の身体に戻るとカラス達を追い散らし、最初に身体を乗っ取ったカラスを屋敷に連れ帰る。


怪我が酷くほっといたら死んでしまいますし、そもそも怪我したの私のせいですしね。


屋敷に戻ると怪我して帰ったためずいぶん心配された。

ごまかすのが大変でした。







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