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第8話:入国

「よいしょっ……と……よく寝たな……今は何時だ?」


俺は《創造》で時計を作る。ん?まだ5時10分か。


体内時計としては7時だったが、歳をとったせいか早く目覚めてしまったみたいだな。


外を覗いてみるとまだ暗い。もう寝られなさそうなので、ちょっと早いが朝御飯を食べるか。


俺はのそのそと体を起こし、背伸びをする。そして、昨日と同じように《創造》で道具や材料をだし、朝御飯を作っていく。


うん、美味しそうだ。


今日の朝御飯は、食パン、スクランブルエッグ、ヨーグルト……と至って普通だ。


そこまでお腹は空いていないのでこれぐらいでいいだろう。丁度満腹になったところで、全知全能に学院について聞くことにした。


(全知全能、これから行くストラの街に学院はある?)


(Answer,ストラに学院はありませんが、そこから近い王都には沢山学院があります。)


(沢山あるのか。どこかオススメの学院は?)


(Answer,王都魔法学院、王都武術学院です。この2校はどちらも国内最高峰レベルの学校です。)


(なるほど、エリートしか入れないというわけか。身分による差別はあるのか?)


(これらの学院は国内最高峰レベルの為、身分に関わらず才能ある者のみ入学可能です。)


(……ということはやはり入学試験があるのか?)


(Answer,筆記試験、実技試験があります。次回の試験はどちらの学院も3月4日です。)


(因みに今日は何月何日だ?)


(今日は3月2日です。)


(ふむ、3月2日……って、後2日しかないのか!万が一にも落ちることは無いだろうが少し心配だな……)


(Answer,《透視(シースルー)》によって答えを見ますか?)


(いや、ダメだろ!つか学院側もそんなことをする輩がいるから透視出来ないようにしているんじゃないのか?)


(Answer,学院は最高峰の技術で透視出来ないようにしていますが、神の眼を欺くことは出来ません。)


(それもそうか……まあ、最悪試験に落ちたとしても来年があるから大丈夫か。1年が過ぎるのなんて本当にあっという間だからな。)


学院について大体解ったところで、俺は懐から1枚のメモを取り出した。


そこには、これからやってみたいことが箇条書きで連々と書かれている。下界に降りる前日に我慢出来なくなって書いたものだ。1個ずつやってみたいことを妄想している内に、無性にわくわくしてきた。


今すぐにでも外に出たい気分だな。俺はテントの中からひょっこりと顔を出して外の様子を眺める。


まだ日は出ていないが、西の方では日が出てきている。これなら、後数分経てば日が出てくるだろう。


早いに越したことは無いし、早速ストラに向かうとしよう。《収納(ストレージ)》でテントを片付け、俺はストラの街に向かって歩いた。





段々、森が開けて明るい日差しが射してきた。


この様子だとそろそろストラに着くんじゃ無いか?ニベルのお陰か、森の中では一切魔物が襲って来なかったので予定より大分早く着いた気がする。


お、何やら門番らしき20代くらいの男がいるな……


ボーっとしているが、門番があんな状態で大丈夫なのか?いや、もしかしたら策敵している最中なのかもしれない。それなら邪魔するのは悪い気がするが、取り敢えず声をかけてみるか。


俺は《瞬足(スピード)》で一気に門番の後ろに駆け寄る。


「なあ」


「わあ!ビックリした……って子供か」


ん?この様子だと、俺に気づいてなかったのか?策敵していたなら気づくはずなんだが……


「俺に気づいていなかったのか?見張りなのに?」


「あ、ああ。勿論、きちんと見張っていたし、キミのことも把握していたぞ。それで、キミは何の用だい?」


あ、目が泳いでいる。この国、本当に大丈夫か?俺の知ったことではないが。


「ストラの街に行きたくてな、取り敢えず王国に入国させてくれないか?」


「それじゃあ、何か身分を証明するもの……例えばギルドカードとかは持っていないか?」


「持っていないな。無くても入国は可能か?」


「ああ、問題ない。ただ、質問はさせてもらう」


「手間取らせてしまってすまない」


「……キミと話していると、本当に子供と話しているのか疑うな……」


ギクッ。


あっ、そういえば自分が9歳くらいの見た目だったの忘れていたな……


「あ、あの、お兄さん!その質問って何?」


「ん?何か急に白々しく子供っぽくなった気が……」


門番の男がこちらを疑うような目で見てくる。


「……まあいい。キミはどこから来たんだ?」


「ええと……向こうの森から!」


「な!?向こうの森だと?あそこはSSランク指定の森じゃないか。キミ、嘘を言ってはいけないよ。本当はどこから来たんだ?」


「え?だからあそこの……」


「全く、嘘はダメだが……まあ見栄を張りたいお年頃だろう。今回は見逃してやる。本命はこっちだからな。ほらキミ、この水晶に手を置いてくれ」


「こう?」


水晶が青色に光る。


「よし、大丈夫だな。もう入っていいぞ」


「……分かった。ところでこの水晶は何?」


「キミ、知らないのか?この水晶は犯罪歴があるのかを調べる魔道具だ。犯罪歴が無ければ青く、犯罪歴があれば赤く光る優れものさ。良かったな、キミ、もう入れるぞ」


「へー。人間達も頑張っているんだな……」


「ん?なんか言ったか?」


「い、いや、何でもないよ。それじゃあ有り難く入らせてもらうね」


ふう。なんとか切り抜けられた。


どうしても神目線になって物事を考えてしまうが……これから学園に通ううえで、少しずつ慣れていけばいくだろう。


俺は王国へと足を一歩踏み入れた。

閲覧、ありがとうございました。

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