第3話:緊急会議②
投稿して早速ブクマが何件かあって、とても驚きました。表現が稚拙な部分もたくさんあると思いますが、これからも読んでいただけると嬉しいです。
一番最初に来たのは……
死神ダリルか。やっぱりな。ダリルは俺の姿を確認すると漆黒の翼をしまい、膝まずいた。
いつもは普通に仲がいいと思う……思いたいのだが、急に膝まずかれると反応に困る。
「ダリル。そんなに改まるな。お前にそんな態度をとられると悪寒がする」
「いえ。創造神様の前でそのような態度をとることはできません」
そう言ってダリルは、口を歪めた。
「まあ今回が初めての緊急会議だから仕方ないか。他の神達が来るまで楽にしておけ」
「お心遣い感謝致します」
そして順調に神達が神殿にやって来た。さすがにダリル程派手な登場の仕方ではなく、ひっそりと転移してくる。
初めての緊急会議ということもあり、神達は皆どこか緊張した面持ちだ。ダリルはまあ……見た所平常運転だ。鋼のメンタルだよな、あいつ。
今回緊急会議で呼んだのは魔術神ビリーや武神ライル、転生神ミルなどの上級神達だ。下級神にしてみれば冷や汗をかく程のメンツだろう。
そして上級神達が全員そろったところで、緊急会議を始めた。
今回の会議では、俺がきちんと議長としての役割を果たす予定だ。まあ今回の議題は俺に直接関わる話だし。
その旨を、上級神達に伝えたところ、とても驚かれた。
神達の目が、俺に「え?ちゃんとできんの?また寝るんじゃないの?」と訴えてくる。
ひどくない?
いや、確かに何回も寝てるけど、やるときは俺もきちんとやるよ?
……たぶん。
「今回の議題は……まず、世界神リードが世界の管理を怠り、ミスをした件についてだ」
すると神達は顔を強ばらせる。恐らく俺がリードのことを殺すとでも思っているのではないか?
……いや、絶対そんなことしないけど。たかが1回ミスをしただけで神を殺す程俺は短気じゃない。俺だって結構ミスするし。
「失礼ながらよろしいでしょうか」
「ん?ああ、いいけど」
「その、リードく……リードさんを殺すのは……どうかやめていただけないでしょうか」
そんなことを言ってきたのは生命神ユリだ。
そういえば二人とも恋人同士なんだっけ?神界では有名なんだよね。
ユリとリードの出逢い話も神界では有名で、ロマンティックだということで女性陣からは憧れの対象であり、出逢いを再現した演劇も行われており、絶大な人気を誇っているんだとか。
俺も1回見に行ったことがある。
……一人で。
たまたま一緒に見に行く人がいなかっただけだ。何回でも言わせてもらうが、断じてボッチではない。
まあ、それはともかく、
「いや、さすがに殺さないよ?仕事を少し増やすくらいの罰は与えると思うけど」
「本当ですか?あ、ありがとうございます」
なんかユリの眼が潤んでいる気がするのだが。俺のイメージ悪すぎない?第三者から見たら俺がユリをいじめてるように見えるだろう。
これもあの噂が原因だよな。「創造神を怒らせると殺される」とかいうアレだ。
恐らくそんな噂を流したのはダリルだろうな。わざわざ、そんな噂が流れているんだと笑顔で言ってきたし。唯一の友達がこんな奴だと泣けてくる。
俺は他の神達とも仲良くしたいのでこれでも他の神達にはフレンドリーに接するように努めているのだが、噂が広まるのは早いことで既に俺の努力は水の泡だ。
ダリルにとっては冷やかし程度なのかもしれないが、俺にとっては一大事。ダリル以外にも人間達のように……友達を作りたい。ここまで畏怖されると悲しくなってくる。
というか、俺に冷やかしするぐらい暇ならもっと働けよ、って突っ込みたくなる。
世界神みたいに世界を管理する訳でもなく、魔術神や武神みたいに日々の研究や体づくりに勤しむ訳でもない。
まあ、学園の様子を観察するだけで、仕事は全て他の神に押し付けている俺が言えることではないのだが。
「とりあえずリードの罰についてはおいといて、本題に移る」
「本題はリードの罰についてじゃないんですか?」
上級神達が驚愕の目で俺のことを見る。なんだかむず痒いな、この視線。
「それについては正直言ってどうでもいい。本題は……俺が下界に降りる件だ」
その瞬間神達が一斉にフリーズした。
「「「はい?」」」