第2話:緊急会議①
閲覧ありがとうございます。
短いので流し読み程度で読んでください。
俺は早速他の神を呼ぶべく、
「緊急だ。会議をするので早く神殿に来るように」と念話で連絡した。そこまで緊急では無いが、なるべく早く会議を終わらせて下界に行きたいからな。
神殿は俺の住居兼会議場である。ただ、住居とはいってもあまりにも広すぎるので、全然使わない部屋が沢山ある。実際に使っているのは二部屋ぐらい。一つが作業部屋でもう一つが完全なプライベート用の部屋。部屋自体もかなり広いので二部屋で充分だ。
作業部屋とはいっても、俺はすることが無いので一切書類が無い。机の真横にはキングサイズのベッドが置いてあり、いつでもダイブ出来るようにセッティングしてある。
他の神達が俺の作業部屋に来るといつも害虫を見るような目で俺を見るのは、これが原因だろう。俺に書類を持ってくる奴は大抵俺の部屋を見ると諦めて帰っていく。別に書類のチェックぐらいやってもいいのだが。
逆に、プライベートの部屋は全く整理しておらず、ゴミ屋敷と化している。他の神達を呼んだらドン引きされるとわかっているので、この部屋には呼ばない。というか呼ぶ程仲のいい神がいない。誰も来ないとわかっているからこの部屋が汚いのかもしれないな。
最近はゴミがベッドを侵略し始めたので、作業部屋のベッドで寝ている。もうどちらがプライベートの部屋かわからない。仕事はどうせ無いので、作業部屋もプライベートの部屋にしてしまえばいいかもしれない。
昔は仕事もそれなりにあったが、今は創造神=使えない奴みたいなレッテルが貼られているので全く無い。勿論、他の神達が忙しそうにしているのなら俺も手伝うが、最近は皆だいぶ余裕が出てきているので特に問題無い。他の神達にどうしても伝えたいことがあれば会議場で発表すればいいので効率もいい。
他にも会議場では、主にお互いに世界の状況を共有したり、それぞれの魔法や武術の研究の成果を発表したりする。
俺は議長なのだが、特に共有したり発表したりすることもなければ、それぞれの意見をまとめたりすることもない。ふかふかな椅子に座って会議の始まりと終わりの合図をするだけだ。
これも創造神の特権だ。ぼーっとしていたら、いつのまにか話がまとまっていて他の神達が会議の終わりの合図を待っていた、なんてこともざらにある。
だから会議が長くなるときは暇すぎてつい寝てしまう。俺の席は他の神達の席に比べると妙に豪華で、周りに宝石が散りばめられているのだけれど、クッションが良すぎて超気持ちよく寝れるんだよな。
それでも俺の許可なしでは帰れないそうで、俺が10時間近く寝ていた時も目を血眼にして起きていた。
あのときは本当に申し訳なかった。なんでも、俺の許可なしで会議中に寝たり勝手に帰ったりしたら、後で俺から殺されるという噂があるとかないとか。
いや、いつのまにか誰もいなくなっていたら少し寂しいかもしれないが、流石にそんなことでキレたりはしない。
どんだけ恐れられてんだ、俺。
いつも会議は行っているのだが、1年に1回会議をする日は決まっているのでわざわざ念話を使って神を呼び出して緊急会議をするのは今回が初めてだ。
緊急とは言ったって俺が下界に降りるだけなのだが、神によってはそれも一大事だったりする。
いるんだよなぁ、何故か俺のことをストーカーしようとしてくる奴。勿論あの神は中級神だから会議には呼ばないのでバレなければ問題ない。俺が下界に行くことがわかったら何をしてでもついてこようとするからな。
まあ上級神達にはそんな奴はいないのでちゃんと伝えておくか。
お、そんなことを考えていたら早速来たようだ。ドス黒い色をした魔方陣が突然表れ、ものすごい竜巻をあげて何かが現れる。
なかなか派手な登場の仕方だな。わざわざ竜巻をあげて登場するとか、どんな演出だよ。俺の住居である神殿の前でそのような登場をするとは度胸がある。
これは恐らくアイツだな。いや、恐らくというかアイツしかいない。俺の唯一の友達。友達少なくね?とかいうツッコミは無しだ。断じてボッチではない。
現れたのは......